2018年11月22日(木)づけの、イギリス発世界を牽引するワインメディア“デカンタ/Decanter”にあったのはこんな記事。
イギリス政府のよる、自国ワインの消費がますます増加
UK government consumption of English and Welsh wine increases
https://www.decanter.com/wine-news/uk-government-english-wine-grows-404823/
(ちなみに、こちらの記事ソースである、公式レポートはこちらです(↓)。)
The Government Hospitality Wine Cellar: Annual Statement 2017 - 2018
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/762471/Annual_Report_GH_Wine_Cellar_2017-18_15_11_18.doc.pdf
ええと、どういうことかといいますと、イギリスには、Government Wine Cellarなるものがあり、
これ、国としてのワイン・ホスピタリティを担う機関です。
わかりやすくいうと、国の要人が訪問した際のレセプションのワインを担当する、とか、そういう役割です。
Government Wine Cellarは2011/12からセルフファンディング(自己資金調達。独立採算、というべきか。。。)を行っており、
買いつけたワインを政府に販売し、その支払いでビジネスが成立。
価値あるワインを適正価格で売れば利益は出るわけで、順調な模様です。
最新のレポートによると、シャトー・ラフィット・ロートシルト、オー・ブリオン、ペトリュス、バタイエ、グリュオ・ラローズといった、
世界に名だたるフランス・ボルドーの錚々たるワインを提供し、その額、£50,600。
一方で、£56,976相当のワインを買いつけ、
うち64%はイングリッシュワインとウェルシュワイン。
これらは、イングランドとウェールズのワインで、つまりは自国のワイン、ということです。
最多はイングランド・ケントのワインエステイト、チャペル・ダウン/Chapel DownのBacchusで、120ケースです。
イングランドとウェールズのスパークリングワインは900本、
イングリッシュワインのスティルで500本です。
全体におけるイギリスのワイン(イングランドとウェールズのワイン)の比率は、
前年度が52%だったのに対し、最新の数字は57%。
昨年は半分になった、ということが報じられ(↓)、
それを1年で5%上回ったのは、ますますの成長と捉えていいのではないでしょうか。
事実、10年前は、政府の公式イベントで提供されたイギリスのワインは
わずか2割程度だったわけですし。
私は、21世紀に入って以降、成長の過程を目の当たりにしていることもあって、
イギリスのアルコールというと、イングリッシュワインにどうしても目が向いてしまい、
また、蒸留酒は料理や菓子の風味づけには使うものの、
ドリンクとして積極的に嗜むことはないので疎いのですが、
このレポートによると、スコッチ・ウイスキーはわずか1本、
ジョーニー・ウォーカー/Johnnie Walkerのブラックレーベルがボトル半分、カ・リラ/Caol Ilaの18年ものがボトル半分、計1本、
コニャックの消費量の方が多い、とあり、むしろこちらにびっくり!
スコッチ・ウイスキーよりコニャックの方が多いのか!
そりゃ、スコットランドは独立したがるわけだ、と変なところで納得したりして。
~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○発展目覚ましいイングリッシュワインの現状はこんな感じ → https://ricorice.exblog.jp/27541695/
○生産者曰く、2018年のイングリッシュワインは期待大! → https://ricorice.exblog.jp/27419996/
○イギリスワインを後押しする新しい団体が設立される → https://ricorice.exblog.jp/26927445/
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子』は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ダイレクター/ライター”羽根則子のブログです。
・プロフィール ・活動内容 ・著書
(↑お手数ですが、それぞれクリックしてくださいね)
・お仕事・講演などのご依頼は、
chattexあっとまーくyahoo.co.jp までメールでご連絡を!