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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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2018年 10月 28日 ( 1 )



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へヴァ/Hevvaとは聞き慣れない言葉で、
それもそのはず、コーニッシュの言葉でHeavyを意味します。
なので、このお菓子は別名、ヘヴィー・ケーキ/Heavy Cakeと言います。

なぜ、Hevva(Heavy)なのか。
これ、掛け声だったようです。

どういうことか、というと、
コーンウォールは海に面したエリア。
ということは漁が盛んだったところでもあります。
(現在でも漁村は健在で、リック・スタインの例に漏れず、
新鮮なシーフードを求めて、この地にレストランを構える料理人も見られます。)

かつては現在のように、ハイテクではありませんでしたから、
目視も漁には大切な要素となります。
そこで、イワシ漁の際に、漁師の妻たちは崖の上からイワシの群れを探し、
そうして見つけたら、海で漁を待ち構えている夫の漁師たちに、叫びます。
このときの掛け声が「へヴァ/Hevva」だったとのこと。

そうして、無事、イワシの群れを伝えた妻たちは急いで家に戻り、
大漁となって帰宅する夫たちをねぎらうために焼いたのが、このケーキなのです。
材料を混ぜて焼くだけ、の簡単さは、
すぐにできるように、の表れなのです。

へヴァ・ケーキの特徴である表面の格子は、漁網を意味しているのだとか。
ということは、レーズンはイワシなのかもしれません。
そして、HevvaというのはHeavyであり、つまり“重い”ということで、
これは大漁を意味するとともに、願かけでもあったのかなぁ、と推察するのです。

また、魚は群れをなすので、黒いかたまりとなって見つけられる、というのは、
魚は群れをなすので、通常は数えられない名詞、不可算名詞として扱う
(こういう数えられる、数えられない、実際はケースバイケースです)、
ということにも妙に納得したりして。
そして、どうしても金子みすゞの「大漁」の詩を思い出してしまう私です。

ところで、ケーキなのにそんなにすぐに作れるの?と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
イギリスでいうケーキの定義は、日本のそれとは異なり、広範囲にわたります。
このヘヴァ・ケーキのケーキは、ロック・ケーキのような、ウェルシュ・ケーキのような、はたまたスコーンのような、
クリックブレッドならぬクイックケーキとも呼べそうなもので、
これらのケーキ同様、ケーキのような、ビスケットのような、パンのような、
材料を混ぜるだけの生地と、ホロホロと口の中でほどけ紅茶をガブガブ飲みたくなるところが共通項です。

コーンウォールに伝わるレシピは、油脂はラードだけ、のようですが、
バターを使うことで、現代風のリッチな味わいにしました。

<材料(26×19cm型のトレイ1個分)>
薄力粉……300g
バター……100g
ラード……50g
グラニュー糖……75g
卵……1個
牛乳……大さじ2
塩……小さじ1/2
レーズン……150g
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<作り方(調理:35分 オーブン:40分)>
下準備
*型にバターを塗り、クッキングシートを敷いておく。
*オーブンを180℃に温めておく。
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1. 薄力粉と塩を合わせて、2〜3度ふるう。バターを適当な大きさ(3cm角より小さいとよい)にカットする。卵をときほぐす。
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2. フードプロセッサーに1の粉類とバターを入れ、そぼろ状になるまで回す。
※フードプロセッサーが小さい場合は、適度な量の粉類とバターを回し、その後でフードプロセッサーに入らなかった粉類と合わせる。
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3. 2をボウルにあけ、グラニュー糖、ラード、レーズンを加えて混ぜ、真ん中にくぼみを作る。
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4. 3のくぼみに、1のときほぐした卵と牛乳を入れる。
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5. ナイフでざっくり混ぜたら、手で生地をひとつにまとめる。
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6. 5の生地を準備しておいた型に入れ、生地を広げ、表面を平らにならす。
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7. 6の生地の表面に、ナイフで格子状に浅く切り込みを入れる。
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8. 180℃のオーブンで40分焼く。
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9. 冷めたら型から外し、適当な大きさ(3×4または4×6)に切る。
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by ricoricex | 2018-10-28 00:00 | イギリス菓子・レシピ | Trackback