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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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2018年 08月 30日 ( 1 )



世界で活躍し、世界で知られている日本人シェフのひとりとして、間違いなく名前があがるのはこの人物でしょう。

ノブ・マツヒサ/Nobu Matsuhisa
(“松久信幸”と書くのと、どっちが通りがいいのかな?)
https://www.instagram.com/therealnobu/

近年、レストランのみならずホテル経営にも乗り出し、
昨年2017年にはロンドン・ショーディッチに「Nobu」ホテル&レストランをオープン(↓)。


そんなノブ・マツヒサへの一問一答形式のインタビュー記事が
2018年8月16日(木)づけのイギリスの飲食メディア“Big Hospitality”にあったので、ご紹介します。

Nobu Matsuhisa: "Opening in Shoreditch was a challenge"
https://www.bighospitality.co.uk/Article/2018/08/16/Nobu-Matsuhisa-on-Robert-De-Niro-and-London-restaurants



~~~~~~~~
- レストラン業界に入った理由は?
子供の頃、2つの夢を抱いていました。ひとつは寿司職人になること。もうひとつは世界を旅することです。
私の父は、私が7歳のときに自動車事故で亡くなりました。以降、兄が面倒を見てくれ、寿司屋にも連れて行ってくれました。
それは私にとって天啓でした。寿司は超高級な料理だということを理解し、同時に寿司職人になりたい、と願いました。
高校を卒業し、18歳のときに東京で(筆者注:ノブ・マツヒサは埼玉県出身)寿司屋の見習いになりました。師匠が私に教えてくれたのは、魚の目利き、さばき方、そして寿司の作り方。
以降、料理人一筋です。なのでほかの仕事を知りません。
その寿司店に日系ペルー人の方がいらっしゃり、彼の誘いを受けてペルーに渡る決意をしました。この世界に入って7年経ったときのことです。

- 「Nobu」を開業した経緯を教えてください。
ペルーで店をオープンし、紆余曲折を経て、ビバリーヒルズに「Matsuhisa」を開店しました。1987年のことです。
1年後、ロバート・デ・ニーロが食事にやって来ました。とても気に入ってくれて、ニューヨークで一緒に店を出さないか、と話を持ちかけられました。
そのときの私の回答は“No”。ビバリーヒルズに店を出して1年しか経ってないわけですから、私としては時期尚早だと思ったのです。
5年後、デ・ニーロは再び私を誘いました。これが、1994年に「Nobu」をオープンした理由です。
Nobu」は今や世界に40店舗を展開するまでになりましたが、あのとき、デ・ニーロがもう一度私に聞いてこなければ、「Nobu」はなかったでしょう。

- ロバート・デ・ニーロとはうまくやっていますか?
彼は本当に頼りになる出資者です。私達はよきチームとしてよき友だちとして、その関係はきわめて良好です。
彼は私を信頼してくれていますし、私がやりたいことも理解してくれています。それはデ・ニーロがハリウッドスターとして世界中を回り、行く先々で一流の食体験があるので、食への理解が深いからだと理解しています。
新しいお店をオープンすると、彼は必ず立ち寄り、プロモーションにも一役買ってくれます。
我々の大きな違いは、私は料理をするけれど、デ・ニーロは包丁すら握らない、ということですかね(笑)。

- 日常的な1日の過ごし方を教えてください。
現在私はロセンゼルスを拠点としていますが、私は1年のうち10カ月は旅先で過ごしています。
今日は、というと(筆者注:取材はロンドンで行われた)、5時に起きて、ジムで体を動かしました。汗をかくのが好きなのと、時差ボケには運動が効くのです、私の場合。
それからシャワーを浴びて、朝食を摂り、レストランの厨房でシェフと朝食とランチメニューについて打ち合わせ。
部屋に戻っていったん休み、その後、店に行き一晩中過ごします。

- 長い1日ですね。
飲食業界というのは、1日が長いものです。とはいえ私はほかの仕事を知らないので、何とも言えないのですが。
私自身は長い時間仕事をするのはまったく苦になりません。レストランにいて、お客さまが楽しそうに飲み食いする姿を眺めるのは、何ごとにも代え難いほど好きなんです。至福のひとときです。
- 休みの日の過ごし方を教えてください。
仕事関係の人には誰にも会いたくないですね。
籠る、ってわけではないんですよ。家族やエクササイズをして、静かにゆっくり過ごすのが好きなんです。

- 世界で事業を展開するにあたって、大事なことは?
多店舗経営をすると、新店オープンへのハードルが下がります。店舗を作ること自体はむずかしいことではありません。
問題は人材です。レストランはチームとしての仕事になるので、単に個人の技量だけではなく、チームとしてのバランスが大事になります。
いいチームを編成すること。これが滅法むずかしい。
どの業界でも同じでしょうが、会社を経営するのは、家族として組織を育てることです。そしてそこはビジネスですから、教育や修練も必要になってきます。

- ロンドンに「Nobu」をオープンしてから20年以上が経ちました。ロンドンの飲食シーンはどう変化したと思われますか?
Nobu」開業前、ロンドンに来たのは数えるほどしかありませんでした。
そのときは、おっ、と思わせる刺激的な寿司店はほとんど見受けられませんでした。
でも、今は違います。私はロンドンが好きです。エネルギーがあり、才能あるシェフが店を構えている。彼らのアプローチは伝統にとらわれたものではなく、何か新しいことをしようとしている。そこがいいのです。

- ロンドンの「Nobu」は、最初の2軒をメイフェアに構えました。昨年2017年オープンしたホテル&レストランはショーディッチという、これまでとは趣の違ったエリアです。なぜショーディッチに?
メイフェアで20年以上レストランを運営しました。このエリアの顧客はハイクラスで落ち着いた方々です。そろそろ次世代に向けて店舗を構えてもいいのでは、と思い、そこで選んだのはショーディッチでした。
メイフェアとはまったく違い、ショーディッチは若い活気にあふれた賑やかなエリアです。この地に新しく店舗を構えるのは、私にとって大きな挑戦でした。
24年前ニューヨークに「Nobu」を開業したとき、トライベッカは別段人々の注目を集めるような場所ではありませんでした。しかし、状況は変わり、現在のトライベッカはニューヨークでも指折りのファッショナブルエリアへと変貌しました。
同じことはロサンゼルスでもロンドンでも起こっています。
ショーディッチはそのことを痛感させてくれるエリアであり、だからこそショーディッチを選んだのです。

- なぜホテルも一緒に?
現在、「Nobu Hotel」は9軒を世界で展開しています。
発案者は、またしてもロバート・デ・ニーロです。ある日、彼が言ったんです。
「誰かのホテル、ではなく、我々のホテルにお店をオープンさせないか」と。
確かに。多くの「Nobu」レストランはホテルの中に開業していますから。
The Greenwich Hotel」を所有している彼らしいアイディアだったかもしれないですね。

- カナダ・トロントのホテルにはコンドミニアムもありますね。
ここは「Nobu」レストランの上に36室のホテルと、660室の滞在型の部屋、コンドミニアムを備えた施設です。
建築中に売り切れてしまい、これには驚きました。
以降、コンドミニアムを備えたホテルも計画するようになりました。

- 「Nobu」はどうしてこんなに大きく事業展開ができるのでしょうか?
私は未来を見据えて、といったことをしません。
仕事は私個人としてではなく、チームとして行うものです。
チームは偉大な家族のようなもので、小さな子供から大人、結婚して、新たに家族を持って、といった成長過程を眺めるのが、私は好きなのです。
その結果としてビジネスが成長拡大した、ということかもしれません。

- モチベーションをどうやって維持しているのですか?
料理は私の人生そのものです。最上の料理を作り、提供する。これが楽しくて仕方がないのです。

- 今後の予定をおきかせください。
明日のことは誰にも分かりません。実際のところ、あと何年生きるのか。。。
だからこそ一瞬一瞬にベストを尽くし、大事にしていきたいと思っています。
私は私の情熱を諦めたくないですね。


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言っていることはきわめてシンプル。
“好き”という気持ちと好奇心と。
だからこそ続いているのかも知れないなぁ、と感じてしまいました。


~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○ノブ・ホテル/Nobu Hotelがロンドンにオープン! → https://ricorice.exblog.jp/25809619/
○英国-日本人シェフ、ジュン・タナカへの一問一答 → https://ricorice.exblog.jp/27386963/
○トン・チー・ウィーへの一問一答 → https://ricorice.exblog.jp/22904288/
○ロンドン・モダン中近東料理ブームの立役者、サミ・タミミの理想の食事 → https://ricorice.exblog.jp/25691555/




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by ricoricex | 2018-08-30 00:00 | 食の人 | Trackback