折りにつけ読み返している、一番好き(というよりしっくりくるという方があてはまる)小説。
碾臼
この「碾臼」、クリスマスを回想するシーンに始まりクリスマスに終わります。
発表されたのは65年。
なので、シングルマザーというシチュエーションは、
今となっては珍しくもなんともないし、中に出てくる社会環境/情勢も今と違う。
それでも、本質的な、社会とどう対峙するか、というのが、
この小説が発表される少し前の世代の、怒れる若者たち
のような単純なNO(もちろん彼らも決して単純ではわけでないけれど)ではなく、
より複雑な心情ゆえ、しっくりするのです。
まあ、内容はさておき、食の箇所もなかなか興味深いのです。
65年発表なので、今と若干違うものの、変わってないことも多いかもしれません。
クリスマスにターキーを調理、
ハーブやらワインやら、マッシュしたクリを使うとか出てきます。
あと、家で食べるものはゆで卵やらベーコンエッグやらぐらいで、
(シングルのせいなのか)料理しないなぁ、
卵使ってさっと簡単に作って食べてるんだろうなぁ、とか、
ミドルクラス出身の主人公の義姉が
セルフリッジでディナーパーティーのためのキジ料理を買うとか、
家でミル使ってコーヒーいれるってのもミドルクラスだなぁetc。
主人公の友人で育ちが貧しいことを表現するのに
豆とゼリー、パンに肉汁をつけて食べて育った、
というくだりが出て来ます。
肉や野菜やバランスのとれた食事をして育っていない、
ゆえに肌の色が不健康だと。
今も、体型はある意味、クラスを体現している面もあるし。
子どものころにケロッグのコーンフレークを食べていた、ともあり、
コーンフレークってアメリカから入ってきたと思うんだよなぁ、
いつどうやって入って来て、あんなに広まったのか、
(今、一般的な朝食はシリアルなんじゃないかなぁ)
調べてみたいもんです。
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