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イギリスの食、イギリスの料理&菓子 ricorice.exblog.jp

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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

27日目<2007年11月21日(水)>


朝食を運んできたPが、そうそう昨日ジムに行ったときに休憩中にThe Times(新聞)があって読んでたら、ミシュランガイドの記事が出てたわよ、と。きけば大きな記事で、まさか極東(イギリスの地図でみると日本はまさにFar East)での、体制に影響のない記事がでかでかと扱われるなんて思ってもみなかったから、一体どういう報道がなされたのでしょうか? 質問攻め。さすがに詳細までは覚えていないP。うーん、読みたいなぁと言ったら、自分たちはそのThe Timesを買ってないから持ってないけど、あてがあるからきいてみる、と。早速電話して、知人が持っているから、K(Pのダンナ)が帰宅途中にピックアップしてくれるとのこと。
さて、本日のランチはMoules(ムール貝)、Rice salad(ライスサラダ)、昨日作っておいたのにデコレーションをしたSt Clements souffle(シトロンのスフレ)。ムール貝もライスサラダもニンニクたっぷりで、おいしいけど臭くなりそう、と。ムール貝はゆでてニンニクバターで調理したので、ゆで汁は残って、これムール貝食べ終わったお皿にゆで汁注いで食べてもおいしいに違いないと、調理室へ行くと、すでに後片づけが終わったあと。どーしたの?と訊かれかくかくしかじかと答えると、あらー捨てちゃったわよ、と。残念!
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フランス人は、フランス人は、というのがよく話題にのぼるのですが、本日も然り。ムール貝を食べるときに、C1が「手で食べちゃお。なーんか、フランス人みたいじゃない」と。料理ではフランスにはかなわないとはいえ、シルバーサービスはイギリスなんだなぁというのを感じるのはこんなときです。96年、友人とピザハットにごはん食べに行ったときに、彼ら(見渡せばほかのお客さんも)はナイフ&フォークでピザを食べたし、カジュアルにおうちでBBQのときもランチョンマットにプレートとナイフ&フォークはセットしてとやってたし(そしてしっかりデザートはパイにアイスクリームが出てきた)、で驚いたこともあるくらいですから。
そして、話題は、フランス人はさあ、みたいになり、フランスでそんなに高級じゃないお店、ビストロとか入るでしょ、そしたらテーブルクロスにパンを直置きしてるのよ! ありえない! もうびっくりしちゃった、サイドプレート(パンを置くための小さいお皿)使わないんだもん。結論としてはフランス人はルード(だらしない)と。そうかぁー、どっちもどっちだと、ワタクシ思っちゃうんですけど。イギリス人だってどこにでも座って何か食べるし、ごみをきれいにとするというのは日本人よりはうーんと希薄だし。野外音楽フェスとか行くと、最初はきれいで座れる芝生も時間が経つにつれ、紙皿だのプラスチックのコップだの、さらに食べ残しも捨てちゃうので、これじゃ座れん!だよー。でも、フランス人みたいにスーパーで試食でもないブドウを食べたり、チーズのふたを開けて押したりはみないけど。
各自好きなようにやるシトロンのスフレのデコレーションも、えっへん、lovely!を連発されちゃいました。ペアを組んでいるC1は私はデコレーションを始めると興味津々で、オレンジのカットを見た後、レモンは私やったげる、と。その間、今日のチューターのBに、ねえー、ミントどこにあるのー(ガーデンにハーブがたくさん植えてある)と訊いて、何枚かとってくる。
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ライスサラダも本当はただお皿に盛るだけだったのを、この方がきれいなんじゃない、と言ってダリオール(プリン型)に入れ逆さにして取り出し、上にさっきとってきたミントをあしらう、と。そして余ったオレンジも飾りに使いました。
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午後はBrioche(ブリオッシュ)、Mackerel mousse(サバのパテ)を作る。パンはこういう塊で作るときは表面を指でたたいて、できてるかどうか確認するんですねー。
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その後、お茶を飲みながら果物のカービング。ふと思い出し、リンゴでウサギとスライドさせるやつ(なんて言うんでしょ)を作ると、教えて教えて、と。教えるものの、何段もというのは厳しいよう。今日は、私、というより日本人、アジア人は器用だということを再確認した日であります。
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夜、ごはんを食べているとKが戻ってきて、The Timesをくれる。気になるミシュランの記事は、どこが星とったとかそういうことよりも、ミシュラン東京は星の数がダントツに多い、それもそのはず、なぜなら東京は世界各国の料理がリーズナブルに食べられるし、なんといっても食べることに貪欲的な国民だから、と。にもかかわらず、なぜミシュランが発刊されていなかったのか、といったことや、テレビのプライムタイム(ゴールデンタイム)はグルメ番組が花盛り、週ごとに新店紹介する番組もあるし、といった按配。ゴードン・ラムジィは星をとれなかったとあったのはご愛嬌。まあ、この国を代表するセレブリティシェフだからなぁ。
テクノロジーやスウドク(ナンプレ。今やあらゆる新聞に載っているほどの人気ぶり。クロスワードと違って言葉が不自由でもOKな点が、外国人の多いこの国で受けたのかしらん)と同様、料理も相当洗練されている、というコラムまであったし。
ミシュラン刊行を通しての日本人の食へのアプローチという切り口でありました。日本料理のメニューサンプルの説明に間違いがあったのはガッカリ。
by ricoricex | 2008-01-30 21:03 | 旅の記憶