ジョン・カサヴェテスの作品で、確か15年ぐらい前に、今はなき六本木のWAVEの地下にあったシネ・ヴィヴァンで観たのが初めて。ジョン・カサヴェテス特集をやっていて、年上の友人に「きっと気に入ると思うよ」とすすめられて、まとめて観た中のひとつ。
ひとことでいえば夫婦(とその周辺の人々)の愛の物語です。で、その中でピーター・フォーク扮する夫が夜勤明けで仕事仲間を連れてうちに戻ってくる。彼はおそらくイタリア移民という設定なんだろう、妻役のジーナ・ローランズがみんなにスパゲティ(トマトソース?)とバゲットと赤ワインを振る舞う。映画の終わりの方で、ジーナ・ローランズの父親が「わたしはスパゲティは大嫌いなんだ」なーんて言うのが、ひそかにおかしい。
ハンドカメラで撮ったような光の感じと、絶妙な間で入ってくる音楽も好き。そして、映画の間中ピーンと張りつめていたのが、最後の最後でふっとやわらかくなって、そこに希望が見いだせるのが、いいです。