小学校4年生の頃かなぁ、45年前の1980年頃、今の実家のあるところに引っ越してから、私はお菓子作りに夢中になりました。
ガスレンジの上に置いて使うオーブン、ピース天火(↓)がやってきて、
https://ricorice.exblog.jp/30878459/
母が喫茶店で(再び)働き始めて、電子レンジやらフードプロセッサーやらの調理家電もやってきて、
それで、興味が向かった、んじゃないかな。
引っ越した先の周囲で、オーブンを備えていたり、お菓子を作ったりする家があったのも影響した、と思います。
お菓子作りには、レシピと材料と、道具が必要です。
そこで、千趣会(カタログ通販の『ベルメゾン』をやってるところです)の頒布会、今でいうサブスクで、1か月に一度、テーマに沿った道具とレシピ集が届けられ、1年(12か月)で完結する、ってものを買ってもらってました。
当時は、ネットはないし、小学生だし買えるものも限られているし(主婦の友社からハンディサイズのものが出ていて、それも愛用)、
とにかく情報そのものが少なく、このレシピ集も活用しまくりました。
12のカテゴリーには、プディング、ってのもあります。
クッキー、とか、パイ、とか、は分かりますが、プディング、とは。ね。
イギリスの食文化の象徴のようでもあり、その定義はなかなかむずかしいのですが(デザートの別の言い方、デザート(手でつまめる乾いた焼き菓子でなく、カトラリーを使って食べるものの総称、であり)、
端的に特徴をとらえ、よくまとめて書いているなぁ、と感心します。
(他の国は、ちょっとこじつけのようではありますが)
1980年代の本とか、ほんと、よくできてます。
まだ限られた人しか外国で学べず、その方達も必死で情報を得ていたことがよく分かります。
もちろん時代によって変化する部分はありますが、本質的なところは変わらない。
そして、パティシエブームの前、ということもあり、フランス菓子一辺倒、とにかくフランスがえらい!みたいなところがなく、情報がフラット。
本によっては、中国菓子もあったりしますし、だからこそ、イギリスの食文化の言葉である、プディングというテーマで作れたのでしょう。
本質に根差した資料性の高い本って、こういうものだったり、(技術はおいておいて)今のものでなかったりするんですよ。
先日も打ち合わせで、先方が見せてくださった本の中にシェフシリーズがあったし、私も別のものを持参したし(シェフシリーズ、揃えたい!)
むしろ、今は情報こそたくさんあるけれど、情報は簡単に拾えるから、それゆえにふわっとした表面だけをなぞったものや、一次情報に当たらず二次三次情報の受け取る側の自分の範疇で都合よく解釈するから、おかしな情報が一般化していることも少なくない。皮肉だなぁ。
日本では、プリンと呼ばれるカスタードプリン/カラメルプディング。
イギリスでは、クレーム・カラメル。単にカラメルと呼ぶことも。
このカスタードプリン/クレーム・カラメルを日本では、puddingと英訳されているのをしばしば目にしますが、違いますよん。
前述のようにプディングは、お菓子のジャンル、であって、ある特定のお菓子ではないですから。