15年以上前のことです。
ロンドンでモダン中近東料理が注目されている、と知り、クッカリースクールのワインデイクラスに参加したら、
「えっ、すぐ予約できたんですか? 私、1年待ったんですよ。きっとキャンセルが出たタイミングだったんでしょうね」と言われ、その日のクラスの他の人の会話からも、人気が高いんだなぁ、というのがうかがい知れました。
その先駆け的存在が「オトレンギ/Ottolenghi」。
お店にも行ったし(↓)、本も何冊か持っています。
ニュースもお伝えしたり(↓)。
https://ricorice.exblog.jp/30469296/
お店は、こんな人たちがやってます(↓)。
で、新刊の案内を兼ねての、新聞の記事を見て(↓)、ちょっと考えてしまいました。
Yotam Ottolenghi on the joy of comfort food: ‘It’s home, family, memory – the combination of right dish, right time, right place’
食べる快適さは、イギリスにはcomfort foodという言葉があって、直訳すると“快適な料理”になるのですが、
気負いや気取りのないいつもの食事、すごくおいしい、でなく、体になじんで食べると落ち着く〜、といった類のもの。
『Comfort』はそういった料理のレシピ集です。
で、ですね、先の「The Guardian」の記事では、comfortを演出するために、
ボウルに入った麺を、お箸で食べるオトレンギの姿が撮影されているんです(↓)。
あ〜、変わったな〜、同時に、先取りしてるな〜、と思いました。
こういうの今までだったら、フォーク、です。
イギリスにたくさんいるアジア系の人に考慮しているのは間違いありません。
人気テレビ番組『The Great British Bake Off(グレイト・ブリティッシュ・ベイクオフ)』などのテレビ番組を見ても明らかで、性、年齢、人種などをばらけさせて、多様性のある参加者にしているんですね。
そうすることで、自分に近い人を応援、結果として広い視聴者を獲得する狙いもあるでしょうし。
この本は、「オトレンギ」のシェフ4人の共同執筆という形で、グローバルなバックグラウンドを持っているから、でもあるのですが(うち、ひとりは中国系)、
オトレンギ自身は両親はイタリアやドイツに縁があり、本人はアムステルダムを経てロンドンにやって来て、エルサレム出身。
まさに『jerusalem』と題した本も出しているのですが(↓)、
そういうルーツを前面に出すと、今はなにかとcontroversialになりそうで、共同執筆者のひとりは中国系ですし、それで
“ヌードルをお箸で”