<イギリス>
“The decline of McDonald’s: How the golden arches lost their shine
マクドナルドはいかにして輝きを失ったか”
2024年7月、ファストフードの巨人マクドナルドは2020年以来の売上減少を発表。
同社は、物価の上昇を理由にしていますが、本当にそれだけか、その理由を分析した記事です。
商品の質の低下、健康志向、競合の増加、Z世代とα世代の嗜好の変化、
など複合的な要素があり、
現在、イギリスでもっとも人気のダイニングスポットがカジュアルベーカリーチェーンのグレッグス/Greggsというのも、その象徴かもしれません。
利便性において、マクドナルドはいまだ絶対的なグローバルリーダーではあるものの、ローカル性というかもっときめ細かい嗜好を反映させたものが好まれるようになった、というか。
これ、長い記事ですが、マクドナルドに限らず、現状を知る示唆に富んでいるなぁ、と感じました。
“This food can seriously mess with your sleep — and it’s not what you think
睡眠を著しく妨げる可能性がある食べ物はこれ”
よく知られるところでは、コーヒー、チーズ、チョコレート。
他にもあって、それは辛い食べ物。
わさび、キムチ、ハリッサ、ハラペーニョのピクルスなどで、カプサイシンは体温を上昇させる可能性があり、身体が睡眠の準備をする際に起こる自然な冷却プロセスを乱すと考えられ、入眠や睡眠維持が難しくなる可能性がある、と。
感覚受容体も活性化させ、リラックスして眠りにつくことがむずかしくなる、そうです。
<食コラム>
“My generation needs our own Delia Smith – we’ve all forgotten how to cook
私たちの世代にこそデリア・スミスが必要”
“「ザ・サンデー・タイムズ」50周年記念ベストセラー100冊にデリア・スミスの本3冊がランキング”(↓)
を受けての、コラム。
先の「ザ・サンデー・タイムズ」のインタビューでは、
「今の料理番組を見るのは耐えられない」とも語っています。
家庭料理向けの適切なレシピを提供する最後の人たちは、ナイジェラ・ローソンとジェイミー・オリヴァーだ、と。
彼らが世に出てきたのは2000年前後。四半世紀前、です。
イギリスがフーディーになっていった過程の、家庭料理の象徴でもあります。
でも、今は、フードデリバリー、ソーシャルメディアのレシピ番組、など、エンターテイメントと興奮が第一義になっていて、それは必ずしもよい方向に向かっていない、とは筆者の弁。
この筆者は1980年代生まれ。
テレビで、デリア・スミスの料理番組を見ていて、家にも彼女の本があった世代。
高級レストランのシェフのレシピとは違って、実際に活用された、と振り返っています。
「私はボルボのようなもので、信頼できるけれど、あまりエキサイティングではなかった」と語ったデリア・スミスに対し、
「ボルボは、基本的なことを学ぶのに必要なものであり、でも、私たちがもはや持っていないもの」。
その理由を、「ミレニアル世代とZ世代は、マーガレット・サッチャーが料理をカリキュラムから削除したため、学校で本格的な料理を教わることがなく、タマネギの切り方、簡単なソースの作り方、簡単な料理ひとつを作るだけでも、私たちの時間や注意を払うに値しないとみなされた」と。
だからこそ、それを教えてくれるデリア・スミスが必要なのだ、と。そこに派手さは要らない。
私自身は、料理は、家事ではなく、趣味もしくはリベラルアーツの域に入ったんだなぁ、と感じています。
だからこそソーシャルメディアでもてはやされるし、便利さは不可逆的だと思うし、これらを私自身楽しむことはあるし。
でも、まあ、基本的なことは知っておいて損はないかな。何より作ってくれる人に感謝できるようにもなるし。
にしても、サッチャーは、ミルクスナッチャーと呼ばれ、「教育は牛乳ではない。牛乳を与えるのは親の役目」と学校給食からミルクを奪い、
基本的な家事のスキルを養う授業をムダとして奪い、
でもね、一見、ムダなことが大事なのよ。
そして、ここでも、サッチャーって日本ではビッグバンを行った偉大な政治家、的な見方をされることが少なくありませんが、イギリスでは大嫌いな人は本当に多いんだよなぁ、というのが垣間見えます。
mon 26/08/24