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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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『高杉晋作の「革命日記」』


『高杉晋作の「革命日記」』_e0038047_17544323.jpg

歴史に疎い。古典に弱い。

先日他愛ない会話から、話が流れに流れて歴史をテーマにしたpodcastを教えてもらう。
聞いてみたら、めちゃくちゃおもろい!
予備知識がないから、その分新鮮!なのかも。
かろうじて知っている断片的でわずかな事柄がバチバチはまる。

なもんで、本を借りてくる。
私は、司馬遼太郎が、構成や文章の組み立て方が苦手、というか、頭にも体にも入ってこないので((読めたのは『花神』だけ)、
そうではなく、ニュートラルなものがいいなぁ、えっ、日記が残ってるの?でこれを。なんか大仰なタイトルではあるけれど。

現代語訳されていて、脚注もあるので、すいすいすいと読める。
私の場合、地の利があるのも助けになった、ように思える。

幕末の人たちは、とかくドラマティックに、こんなことやりました!なヒーロー的な面が強調されている気がするけれど、
ミスリードだなぁ、なタイトルはそこを狙って、なんだろうけど、
当たり前だけど、日常があり、悩みもあり、ひとりの生身の青年だったんだなぁ。

心情を吐露、親や師、お殿様への忠誠(至誠?)、一見相反するようなものが混在していて、でもそういうのが混在している存在よね、人間は。

学もあり、勉強もよくしている。詩作もいっぱいしてたんだなぁ。
好奇心旺盛で、上海に渡った際に、積極的に外国人に接していたのも、驚き。
今ならまだしも、当時、でしょ。物おじしない、ってのもいいなぁ。
そして、当時の生活の様子が知れるのも興味深い。

あんまり、ない、んだけど、料理の記述もあり、宴の席で、かな、「太平」(↓)が出てくる。
大平(おおひら) 山口県 | うちの郷土料理:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/43_8_yamaguchi.html

県の郷土料理、とされているけれど、私は食べたことはおろか、見たこともない。
でも、ぼんやりとではあるものの知識はあって、こういうの食べるの、(アッパー)ミドルクラス(といえばいいのかな?)、武士の家なんだなぁ、と思ってしまった。
上の記事だと、岩国(県の東)のもの、だけど、萩(県の北)でも食べてた、ってことか。。。
もともと、毛利家も高杉家も今の広島の方の人だったから、そちらの食文化を連れてきて、食べていたってことか。。。

ちなみに、この手の料理だと、私は「柏椀」(↓)が大好物で、
柏椀(かしわん) 山口県 | うちの郷土料理:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/43_11_yamaguchi.html

でも、家で作って食べるものでなく、冠婚葬祭(私の場合は、法事)の仕出しで食べていた。
たまごがのっているけれど、それは見たことない。卵は合わない、とも思う。
これも「大平」と同じにおいがする。
もともとは武士らが特別な場で食べていたんだろうな。

話がそれたが、、、
この本の構成も好感が持てる。
日記は日記、注釈は注釈、解説は解説、淡々として、妙に煽ってないのがいい。
なので、じゃあ、何をやったのか、については、このメインである「日記」の理解となるべく巻頭でざっくり触れているに過ぎないので、そこをもう一度読み直し、詳しくは別の本で読む、としましょう。
なんせ、ほとんどわかっていないから。。。

ところで、
“八月二十日 僕の誕生日。心の中で、少し祝う。”
なんて、かわいいじゃない。
なんだけど、、、
この頃って、誕生日、って概念があって、誕生日にお祝いするもんだったの?
新年を迎えて、数え年で年を重ねるから、そういうのない/薄い、とどこかで思ってたみたい、私。
調べてみよう。
『高杉晋作の「革命日記」』_e0038047_17544652.jpg


家を整理してたら、こんなのが出てきて、読みふけってしまった
(半年前か、昨秋か、小倉駅か小倉城でとってきたような。。。)。。。
『高杉晋作の「革命日記」』_e0038047_17494774.jpg

『高杉晋作の「革命日記」』_e0038047_17494230.jpg


歴史とか古典とかに疎くって、ことあるごとに基礎教養のなさを痛感してきて、
ここにきて、やんないとなぁ、という義務感、よりも、ようやく純粋におもしろい!から歴史とか古典とかに向かうスタート地点に立てた、のかもなぁ(そう思いたい)

・・・

そして、、、
もっと本を読むなりしないとわからない、ものの、
よく県民性、とかいうけれど、私は、そのエリアを知るに、県よりも藩で、
そこがどういう性格を持ったお殿様がいてどういう藩だったかを知る方が理解が速いし、何より腑に落ちるなぁ、と思っていて、
それは、例えば、菓子文化が盛んなところは、お殿様が文化ごとが好きだった、に直結しているなぁ、なので。

灯台下暗し。
それだけでなく、ものの考え方や受け止め方などは、環境因子も大きく、無意識ゆえに気づいていないのかもしれない。
というのも、今は違うものの、
私が10代の頃は、公立高校は校区、があったんだけど、5%は校区以外からの枠があり、
また、私が行った高校は、本来は男子校(にしたかった)だろうけど、少しだけ女の子を受け入れていて、
つまり、ガチガチのヒエラルキー支配ではなく、可能性のある人間には(自分で言うといやらしいですが)、こういう特例を設けていて、私はその恩恵に預かったんだよなぁ。

これ、どういうことか。
そんなもんだと思っていたのですが、やはり藩の考え方が受け継がれていたんだ、と。

派生して、私は、本人の力でなく、属性(住んでいるところ、所属、性別etc)でマウントをかけてこられるのが不思議で不思議で仕方がないのも、
生まれ育ったところの環境因子で、そうなったのかもしれない。

とはいえ、歴史に興味が向かないのも、これを傘に威張る、みたいなのもみられて、
自分がやったことでもあるまいし(本当によかったかどうかは、わからないし)、そんな過去のことにいつまですがっているの、むしろこれからでしょ、な意識が強くって、特に幕末は、ストップがかかっていたのかもしれないなぁ。

あっ、あと、高杉晋作も読んだ、自分のライフワークにも直結する、
藩によって翻刻された『英国志』(↓)、読んでみたい。


by ricoricex | 2024-08-20 00:00 |