
ゴダールの映画といえば、『気狂いピエロ』『勝手にしやがれ』が筆頭に挙げられ、
それに異論はないけれど、初めて観る人には適さない、と思う。
ストーリーはあってないような、映画という表現方法に挑んでいるわけだから。
上記2作品には及ばないにしても、私自身大好きで、
まずはここからなんじゃない、と思っているのが『軽蔑』。
ストーリーもちゃんとあり、メロドラマ風(メロドラマじゃないよ! あくまでメロドラマ風)で、
映像も構図も美しく、とっつきやすい、と思うな〜。
加えて、主演はべべだしね。
この映画、同名のモラヴィアの原作があって、
読んでなかったな〜、と思って図書館で借りてきた。
GWが明けて外に出る、つまり電車移動が増えるので、読む時間が確保できるのはありがたい限り。
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もう本は買わない。
大なり小なり仕事関連のものは迷わず買うから、増殖がすごい。
この本もそのつもりで、図書館で借りてきたけれど、手元において、何度でも読み返したくなりそう(まだ途中)。
同名の映画がよく、そういえば原作読んだことないな、と借りてきたら、こちらも素晴らしい。
こーゆーときって、たいがいどちらかにがっかりするけれど、両方いい!って思うってことは作家も映画監督も、そもそもの力量がある、ってことなんでしょう。
さほど作品を読んでいないものの、私はアガサ・クリスティーでは『春にして君を離れ』がダントツに好きで、
この小説はいわゆるミステリーではないけれど、人間ってものを描いていて、奥底に潜んでいるものをあぶり出し、それが怖さにつながる、というか。
『軽蔑』も内面や目にしたあれこれ、そこからの推察が丹念かつ緻密に綴られていて、些細なことで意識が揺れ動く様に、そうだよなぁ、と思わされる。
結局、どういう体裁であれ、普段は気づかないかもしれないけれど、でも確かに奥底に眠っている何か、それは人間の闇、というか、本能だったり無意識の意識だったり、それは人間の普遍性であって、それをきちんと描いたものだからこそ、作品として残っていくのかもしれない。
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読み終えた。
もう娯楽のための本は買わない、んだけど(仕事がらみの本が増殖する一方なので)、
途中で、これは繰り返し読む、と確信し、手元におくことに。
冷静な評価としては、名著、ちょい手前、が妥当かもしれないけれど、
嗜好は別のところにあって、これはいいなぁ、波長が合うとでも言えばいいのか。訳もいいんだろうなぁ。
四半世紀前に観たっきりなので、なんとも、だけど、
小説もいいけれど、映画の方がさらにいいかも。
で、あらすじとは別のところで、悲しくなるのが、
絶望的なほどの自分の素地というか知識/教養のなさ。
ヨーロッパってギリシャ神話とかガリア戦記とかをはじめ、古典が根底にあるんだよね〜。
ただただ、途方に暮れる。
音楽にしても、私はクラシック音楽の正統な後継者はクラフトワークだと思っているんだけど、確か、実際にそういう教育を受けてたんじゃなかったかな。
同じ土壌では太刀打ちできないから、YMOは歌謡曲っぽいニュアンスを採り入れたんじゃないか、って睨んでいる。
ヨーロッパってそういうのが生まれた時から、取り囲んでいる環境にあるのよね。
現在進行形の音楽も小説も映画も結局すべてその延長にあるし、つくづく歴史の厚みを感じる。
はぁ、虚しいほどの自分の無知っぷりを思い知らされるよ。

