ときどきやってくる松本清張祭り&環瀬戸内海文化圏を掘りたく(↓)、
『半生の記』と『父系の指』(が収録されている文庫)を借りてくる。
どちらも、ざっとしか覚えてなくって、
以前(といっても随分前)は、へぇ〜、くらいだったのが、
会話が聞こえて風景が見えるようで、歳をとってからの方が、ぐいっと移入できるようになったのに驚く。
(おかげで、電車を降り損ねそうになる)
まだ読み始め。
はっと思い出して、『雲のうえ』(北九州市の情報誌)の松本清張特集号を引っ張り出す。
改めて見ると、そして読むと、この号、本当によくできてるなぁ。
企画も構成も、文章も写真もデザインも、すべていい。
商業誌でできないこと、地元で、でも、近眼でない他者視点だからこそできること、って、確かにあるのよねぇ。感心する。
なので、内容も非常におもしろく、
『半生の記』や『父系の指』は、人生はかくも辛い、の路線ではあるんだけど、
『雲のうえ』で他の人から語られる松本清張はそういう面(だけ)ではなくって、その出し方が上手。
物事は何事も、同じことでも、扱う人間の思惑(?)や編集が必ずかかる、んですよね、当たり前だけど。
ちょうど今、同じ素材を使っても切り取り方でこう違う、のお手本のような、『Let It Be』と『Get Back』を流してるから(↓)、余計にそう感じちゃうな。
thu 16/05/24