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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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『東京おいしい店ガイド ‘94〜’95』


『東京おいしい店ガイド ‘94〜’95』_e0038047_23020429.jpg

意外と意外なものが資料性を帯びるんだなぁ。

4年前の2月頭に、数年ぶりに東京に戻り、
例によって何のあてもなかったのですが(いつも、考えるより先に体が動く)、
そのときは、それまでず〜っとやっていた食ではない仕事をしていて、このままこっちの方向に行くのかな〜、なんてぼんやり思っていました。
(私は、やりたいことと求められていることは必ずしも一致しない、むしろ別、と思っていて、声をかけてもらったところに縁があり、自分では気づかない適性があるのかも、とよっぽどのことがない限り、いただいた案件をお引き受けします。)

そんな中、東京の飲食店を取材するお仕事を頂戴しました。ちょっと迷ったのですが、お引き受けしました。

迷ったのは、数年東京を離れていたので、個々のお店は知っていても、肌感覚での全体(街)の状況や流れ、みたいなのがよくわからなくなっていたんですね。
東京を離れている間も、頻繁に来ていたとはいえ、やっぱり断片的なんですよ。

大丈夫かな、私。

東京に戻って程なく、コロナになったので、保留、もしくは大きな変化、が起こったので、変な言い方ですが、ある意味、救われたかもしれません。
東京にずっといたとしても同じように、いったん白紙にせざるを得なかったでしょうから。
そんなこんなで、結局というか、図らずも、というか、今また、食関係の仕事をメインにしています。

・・・

新しいところよりも、長く続いているところ、もしくはそこ出身の方のお店、が少なくなく、
取材前にパラパラとめくってみるのが、この本。

31年前(!)に作っていた本を、ちょくちょく見る、とはなぁ。

情報としては、当然古い、んですよ。
でも、東京を網羅したレストランガイドなので、その時代感がギュッと詰まっている。
カテゴリーごとに店舗紹介をし、例えば和食だと、まずは日本料理。郷土料理、ときて、寿司はずっと後ろの方。今だったら、寿司が最初の方に来るでしょう。
フランス料理の店の増加率が非常に高かったのも、よく覚えています。
フランス料理店をこんなに入れていいの? 全体のバランスとしてはよろしくなく、突出して多くなるものの、外せないでしょう、といった具合で。

半年以上がっぷり関わった仕事なので、いろんなことがありありと蘇ります。

文春の『東京いい店うまい店』に対抗(?)して、数で攻めよう、というスタンスでした。
私は、編集の仕事を始めてまだ4か月、1冊フルで関わる、2冊目がこの仕事でした。

私自身は取材とかはしなかったのですが、1993年当時はまだネットの時代ではないので、
企業図書館とかに足を運び、情報を収集し、お店のセレクトをするおじさん(上司)に渡したりしていました。
それは新規店用。
基本改訂なので、閉店したお店はどこか、引き続き掲載する場合は、移転や休業日・営業時間などのデータや情報を最新にしたり。488ページ(30折+半)の台割もしょっちゅう引き直したり。
そういうデスクワークをしていました。

向いてないかも、私。

そう思ったのは、キャリアがないゆえの浅はかさ。
いかにも、な新しいことをやるのはおもしろいな〜、と思ったのに、
この仕事は来る日も来る日も、データ整理のデスクワーク。

今ならわかる。
制約がある中で、ちょっとしたことだけど、新しい視点を加えたり、仕掛けを作ったりするのはいくらでもできるし、そこが腕の見せ所(?)でもあるのですが、当時はわからなかった。

30余年前の東京の飲食シーンを思い出すと同時に、
今なら、こうするかも、こうしたらどうだろう、そんなこともぼんやり考えながら、今日もページをめくります。

by ricoricex | 2024-04-21 00:00 |