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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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海にも人にもテロワール


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立ち寄ったお店で、福井フェアをやってて、
キレッキレの日本酒がいいなぁ、と言って推薦されたのがこれ
(私は日本酒のふわ〜っと広がる感じは得意でなくって、辛口が好きなのです)。

昨日、七輪で鯛の兜焼きをしたときに、
しめしめ、と開けて飲んだんだけど、、、
私が思ってたキレッキレとは違った(笑)。

あぁ、と思い、「賀茂鶴」(広島・西条のお酒)に切り替える。
これ、だな!
鯛は愛媛・宇和島のものだったし、環瀬戸内海文化圏、合わないわけがない。
(私が偏愛する「五橋」(山口・岩国のお酒)でもバッチリ!だと思うんだけど、東京の私の行動圏で売ってないのです。。。)

で、福井の「白岳仙」。
これはこれで、で、すぐに合わせたい!と思ったのが、
ケンサキイカの刺身。
濃厚でとろっと甘くて、肉厚で、私はこれを食べて育った。

生物を好んで食べない、よって刺身も好みではないのだけれど、
ケンサキイカについては、刺身が最高。
でも、どこで、どこのを食べてもいいわけではなくって、
山口・長門市仙崎が一番、その次は萩で、他の地域のものは生でなくてもいいかな〜って思っている(すみません)。。。
でもね、もう、ほんと、全然違うんだから。

ケンサキイカの刺身は、「五橋」や「賀茂鶴」ではなくって、
「白岳仙」はバッチリ合うと思ったし、「東洋美人」や「阿武の鶴」でも間違いないでしょう。
日本海の魚は日本海の日本酒が合うって、ことか。

テロワールってやっぱりあって、
海にも、人にもある、ってことだろうな。
おいしい、と感じるのと、細胞がザワザワするのって、また別。合致するところは大きいけれど、ね。

今日は、鯖を七輪で焼いたけど、これには「白岳仙」、よかったよ。
日本海でも、北陸の方のお酒は、脂のある魚がいいのかも。
同じ日本海でも西の果ては暖かいから、魚はもう少し、淡白な方がいいでしょう。

「東洋美人」や「阿武の鶴」を思い出したら、
金太郎の丸干しを食べたくなった。
これは、萩とその周辺でしか食べられてないかもしれない。

金太郎はヒメジ、フランス料理で使われるルージュの近縁種で、ルージュが示すように赤い色をした小さな白身魚。
子供の頃は丸干ししか知らなかった。
これが白身ながら味がギュッと濃縮されて、うまくってね。
それこそ七輪で炙って食べたら、最高!で、小骨が多いのもなんのその、だった。

金太郎は雑魚だったんじゃないかな。
市場にあまり出回らず、地元で消費してたんじゃないか、って思う。
うちは萩の漁師の親戚からしょっちゅうもらってた。
少なくとも、高級魚、って扱いではまったくなかった。

スズキの一種、淡白で上品な白身の金太郎は使い勝手がいいのでしょう、
しゃれた調理法や食べさせ方をしているお店もあるけれど、
丸干しに敵うものはない。
炙った金太郎の丸干しは酒の肴にうってつけだし、子供の頃の私が大好きで食べていたくらいだから、お酒がなくても十分にいける、と思います。

by ricoricex | 2024-03-31 00:00 | 日常