
小倉(福岡県北九州市)で1泊し、午後まで時間を過ごす。
さて、前日に若松をぶらぶらし、この日は晴天だったけど、雨の日はどんな感じだろう、と思ってみたり。旧安川邸に行こうか、北九州市立博物館 本館でやってる磯崎新展はどうだろう
(磯崎新もいいけれど(彼に非はないけれど、なんか頼りすぎじゃない、って印象なのよね。。。)、村野藤吾展をやってほしい(地元でしょ!)、っとすでにやったんだろうか。八幡市立図書館を観られなかったのは、本当に残念。。。)。
いずれも晴れの日だったら心踊る、だけれど、雨のこの日は、心理的にすっかり遠い。
近場で、中央図書館(不思議な外観だなぁ、と思っているので)か松本清張記念館か、それすらも大儀に思えてしまう。
とりあえず、コーヒーでも飲みに出かけよう。
ホテルをチェックアウトして、そういえば、と思って向かったのは、5年ほど前か、うろうろしているときに、ここにこんな喫茶店があるんだ〜、って気になっていたところ。
仕事でどこかに行くと、時間があれば、早めに、もしくは、終わったら少し滞在して、周辺をぶらぶらする。
多少の地の利こそあるけど、な小倉は、JRの駅から南下するようにのびるモノレールを境に、西側はぼんやりわかる、でも東側は知らない。
そのとき、東側で用事があって、本当の(という言い方もなんですが)飲食店もこっちにいろいろあるのか〜、と感じると同時に、駅のすぐ近くにこんな喫茶店が健在なんだ〜、と感心したのだ。そのときは時間が合わず、入らなかったんだけど。

なんだけど、
入り口の看板には「篆刻 喫茶」とある。
(後で聞いたら、マスターが篆刻をなさっているそうです)
扉を開けると、チョコレートを思わせる、甘い香り。
あ〜、自分で焙煎してるのか〜。

店内のインテリアも、外側よりもさらに、年季が入って、飴色の雰囲気。
うわぁ〜、これは相当、私好みですよ! しびれる!
どっぷり浸かりたい。
入れ替わりで近所の人と思しき若者が出ていき、お客は私ひとり。
「モーニング?」と聞かれて、頷く。
萩焼きをぼってりとさせたような(手作り?)のカップ&ソーサーになみなみとコーヒー。
こういうカップ、私が子供の頃の喫茶店でよく見たな〜。
コーヒーはやわらかい甘さを感じさせ、私自身はもう少し苦味のあるものが好みだけど、これはこれで。
添えられたのは牛乳でなく、ホイップクリーム。
のっけたら、ウィンナーコーヒーになるんじゃない? それをブレンドとして出していいの?
私はコーヒーフレッシュ(ポーションミルク)が好きじゃないんですよ。。。なので、余計にありがたくって嬉しい。

サンドイッチは軽くトーストした食パンに、卵、トマトときゅうり。
私はマヨネーズが得意じゃないけれど、たっぷりめも悪くないな〜。
それよりも、食パン。薄い。一般的な8枚切りよりも薄い(多分)。
西日本は食パンは厚いのが主流で、スーパーマーケットなどでは8枚切りを売ってない。
OCM同様、ここもシロヤの食パンだろうか。そして特別にスライスしてもらっているのだろうか。

サラダもついていて、きゅうりの斜めスライスに、くし切りにしたトマト、キャベツの千切り。
私が実家に帰ると登場するのもこれ。
母が喫茶店で働いていた経験があるからで、どうにもこういう盛り付けをしたくなるみたいです(笑)。
・・・

やみそうにない。
もうどこにも行きたくない。
あまり移動しないで、後回しになっていた本や資料を読んで過ごそう(結局、喫茶店を3軒ハシゴした、という(苦笑))
食べ終わったお皿を下げながらマスターが、
「まだ、います?」と聞いてきたので、
「もう少しゆっくりさせてもらっていいですか。コーヒーもまだ残ってるし。でも、他のお客さんの様子とかで、その方がよければ出るので、遠慮なく言ってください」
「いや、ちょっと買い出しに行きたくって。近くの八百屋がね、10時開店なの」
「そういうことでしたら、遠慮なくゆっくりしてます」
そうして見送ったはいいんだけど、ふと、見ず知らずのお客(私のことね)を残して、金銭や物を盗まれるとか思わなかったんだろうか。そして他のお客が来たら対応すると思ったんだろうか(「マスター、今不在ですぐ戻ります、ちょっと待っててくださいね」くらいは言うけどさ〜)、なんて思ったら、笑ってしまった。

大きな買い物袋を携えてマスターが戻ってくる。
「お帰りなさい」と言って、お互いににっこりして、少し話をする。
最初はややぶっきらぼうな方なのかな、と思ったけど、そんなことなかった。
商売柄か、ずっと喋ってるってことはなく、適度な距離はありつつ、それでも人懐っこい感じ。
オープンして50年ほど(といってたような。。。)とのこと、古賀(市)が本店でそちらは奥様がやってらして、マスターは小倉のこのお店に通ってるとのこと、etc。
弥太郎という大きなインコがいて、大きいなぁ、と思ったらそういう種類だそう。絵葉書をもらっちゃった。

コーヒーをもう1杯お願いして、本に戻る。
静かな空間、壁にかかった大きな時計が1時間おきに時を告げる。

11時を回ってしばらくすると、ランチ目当てのお客さんが来始めたので、お店を後にすることにする。
ハンドピックをなさっているところで、この方は喫茶店のプロなんだなぁ、と感じ入ってしまった。
モーニングが500円(税込み)なら、ランチのカレー(ビーフ、チキン、ポークの3種類)はコーヒーがついて550円。
この値段でいいのでしょうか!(ちなみにブレンドは400円)
私、普段、カレーをそんなに、特に仕事があるときは食べないのだけれど(口の中に香りと味が残るから)、値段だけでなく、ここのは惹かれるなぁ、相当好きな感じ、と踏んだ、特にチキン。
あと、ケーキセットも食べてみたい。

thu 29/02/24

