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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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渋谷を、もっとたくさん


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どっぷり渋谷系(経由)だった1990年代が終わり、2000年に渡英し、帰国して、再度東京に来たら文京区民になって、2010年代の何年かは福岡市民になり、2020年初頭にまたまた東京に戻り、コロナもあって籠り気味だったのが、ようやく外に出るようになり。
レコファン復活が後押ししてか、渋谷気分がものすごおおおい勢いで加熱している。

街をうろつくと、それまで記憶の奥にしまっていたあれこれが呼び戻され、
来年早々になくなってしまう、東急百貨店本店のレストラン街にあるイタリア料理店「タント タント」に行ってたな〜、もそのひとつ。
もっともレストランなので(今も、かな?)、しょっちゅう行ったわけではない。

1990年代、イタリアンの範疇に入れていいかは?だけど、何人かでモリモリ食べる!は「カプリチョーザ」(二子玉川か渋谷)。デザートのアイスクリーム(パフェ?)も大盛りでシェアして食べる、だったから。
イタリアンで最初に感動したのは、1990代初頭の年明けに行った赤坂の「グラナータ」(旧TBS会館にあった)・赤いチェックのクロスとちょっと暗い照明と、カジュアルだけどそれまでの喫茶店のスパゲッティやピザとは違う料理に、心躍る、舌が喜ぶ。心底おいしい!と満面の笑みになった。

程なくあれやこれや赴くになり、よく行ったのは、「ぺぺロッソ」(三茶、今は池ノ上。当時はプリフィクススタイルのトラットリアだった)、「グッチーナ」(三茶、アットホームなレストラン。たまに)、そしてこの「タント タント」だった。
「グッチーナ」も「タント タント」も食べて飲んで一人1万円しないくらいだったと思う(私はそんなに飲まない)。

コース、あったかな? 両店ともアラカルトで頼んでいた。
「グッチーナ」は4種類のチーズのパングラタン、「タント タント」はパルミジャーノレッジャーノのリゾットが大のお気に入りだった。
「タント タント」のパルミジャーノレッジャーノのリゾットは、半分にカットしくり抜かれたパルミジャーノレッジャーノにリゾットが入って、ワゴンで登場した。食事の後半のクライマックスだった(デザートの前に注文してた)。いつもうっとりと眺めていた。

「タント タント」は、メニュー自体はポッシュじゃなくとんがってもなくオーソドックスなものばかりだったんだけど、物理的な空間もサービスもゆったりとして、佇まいがレストランだった。
デパート内とはいえ、東急百貨店本店のレストランだもんなぁ。
とはいえ、渋谷はよく知っているエリアだったのもあり、「タント タント」は20代の若ぞーが等身大のまま大人気分が味わえる店だった。当時は、銀座は今みたいにカジュアルじゃなかったし、ホテルの飲食店も緊張したし。

今世紀に入ってから足を運んでいない(と思う)「タント タント」。
なくなる前に行って、もう一度記憶に刻んでおこう。

by ricoricex | 2022-12-21 00:00 | 日本の店レポート