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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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『トレインスポッティング』『キングスマン』


『トレインスポッティング』『キングスマン』_e0038047_20571774.jpg

『トレインスポッティング』『キングスマン』 @ 目黒シネマ(東京)

お盆だから?
目黒シネマの、2023年8月13日(日)〜19日(土)の1週間は、
“マルっとアンコール上映週間”で、2本立て×4組を日替わり、午前/午後入れ替えで。
ピタッとタイミングが合った日時があって、行ってきましたとさ。

・・・

『トレインスポッティング』(1996年/ダニー・ボイル監督)
多少の時代感を帯びてきているけど、観ちゃうなぁ、飽きないなぁ。
音楽と疾走感と。

何度も観てるのに、初めて気づくこともありまして。
ナイトクラブが『時計じかけのオレンジ』のコロバ・ミルクバーのオマージュなのは初見で気づいたんだけど、
女性用トイレの壁に描かれていたのは、『タクシードライバー』のアイリス(ジョディ・フォスター)だ〜!

ダニー・ボイルは初の長編映画でもある前作『シャロウ・グレイブ』で、ユアン・マクレガーが『ウィッカーマン』を観るってシーンがあって、イギリス人はほんと、『ウィッカーマン』好きだよなぁ、って思ったんだよなぁ。

で、で、で、
なんでこの映画おもしろいんだろう?って明確な答のひとつに、やっと気づいた。。。

ラストシーンだ!
普通の人たちの生活に戻る、って流れだけど、悲壮感がない。
『さらば青春の光』にしろ『ノーザン・ソウル』にしろ、これで青春が終わって、出口がないまま、結局、やむなく、つまんない(とされる)ふつーの人の暮らしに迎合する、って未来を暗示させるんだけど、
『トレインスポッティング』の場合は、選択肢があった上で、ふふふん、あんたたちと同じ暮らししてやるよ、っていう積極的ともいえる、軽い身のこなしが痛快、なんだな。

この頃、カウンターカルチャーとか、インディーとかアンダーグラウンドとか、メインストリームとの、わかりやすい対比がなくなって、そういう世の中の流れに呼応してるんだろうな。

それにしてもこの映画、shite、shite、shiteをやたらと連呼するな(笑)。

・・・

『キングスマン』(2014年/シュー・ヴォーン監督)
映画自体はねぇ、どーでもいいです(笑)。
あっ、主人公の住んでいるフラットは、アレクサンドラ・アンド・アインスワース/The Alexandra and Ainsworthで(↓)、ここ低所得者用じゃないです。そして建築がすばらしい!

あっ、あっ、オープニングでダイアー・ストレーツのMoney for Nothingが流れてたんだけど、マーク・ノップラーのギターってすぐわかるね。

それよりも、この映画は動くカタログ。
コリン・ファースのスーツ姿のかっこいいこと!
私は、コリン・ファースにはなんの思い入れもないんだけど、いかにも仕立てのいいスーツがよく似合う。
モデルとは違って、リアルでこういう人いそうで、これって体型にもよるから、アングロサクソン、ずるい!というか、イングランドのスーツはアングロサクソンのためのもの、って思ってしまった。。。

そう、コリン・ファースが、よりも、スーツとか靴とか傘とか、身に着けているものがいちいちかっこいい。
衣類や靴、小物がバーンと画面に出てくると、食い入るように見てしまう。

そういえばコリン・ファースって『アナザー・カントリー』(映画ではなく、舞台の方)でもスパイ役を演ったんだよなぁ。

スーツ姿のマイケル・ケインもかっこいいんだよなぁ。
でもって、ピンク色の(淡いとなおよし)、襟のあるシャツやポロシャツって、男性にこそ似合うんだよなぁ。

一方の主人公は、ワーキングクラス(なのか?)の出身って設定で、
それっぽいだらりとした格好をさせているんだけど、
フレッドペリーの黒いポロシャツを着ているシーンもあって、
そうなの、フレッド・ペリーって、ワーキングクラス出身のプレイヤーが、ポッシュなスポーツと考えられていたテニスの世界で、階級格差を乗り越えて頂点に立つ、っていう背景を備えていて、
だからこそフレッドペリーはワーキングクラスのおしゃれさんに愛されてきたわけで、
そこは映画の主人公が勝者になるのにリンクさせるためでもあり、どういうクラス(階級)の人間なのかを示すためでもあり。

何も考えないで観る娯楽映画だし、パッとわからせるためなんだろうけど、これ以上ないほどのどストライクで、な〜んか安直だな〜。

あ〜あ、困っちゃった!
物欲を刺激されちゃったよ!

フレッドペリーの定番のポロシャツはあまりに似合わないし、日本のはだっせー、まっしぐらなので、
なんか変なものに出合ったら、要検討とする。

職人が作った、いいものが欲しい!
身に着けたときの、あの体になじむ感じ。うっとりしちゃうんだよなぁ。

靴は別。
最初はぎこちない。それが履くうちに、しっくりくるようになって、体の一部のようになる。

靴! 靴! 靴!

私は靴が好きで、革靴が好きで、身に着けるものでいちばんお金もかけてるし、家事的なことは好きじゃないのに、靴の手入れは苦にならないし。
スクリーンで、いい靴をほれぼれしながら眺めていたら、
ここ数か月、どうしようかな〜、とぼんやり思っている、
Church'sの茶色のサイドゴアのショートブーツが本気で欲しくなった!
タイミングがいいのか悪いのか、思わぬところから(というか、忘れられていた)購入に十分な入金があったばかりだし、これは迷わず買え、ってことか?


tue 15/08/23






by ricoricex | 2023-08-19 00:00 | 映画