
出だしが、もう、ね。
マルグリット・デュラスの『愛人 ラマン』や山田詠美の『ベッドタイムアイズ』に匹敵するんじゃないかな。
一気に読んだ。
自伝的、の視点が入ると、そちらに引きずられるので、それを排除したところで。
感情を極力抑えているのがいい。意識的に排除したんだろう。それが客観的視点につながっている気がするけど、ときどき自己が出てくる。主人公に対しては、甘い、かな。それは仕方あるまい、それでいいんだとも思う。
もう少し情景描写を細かくしてもいいかな、って気がしなくもないけれど、でも、匙加減は難しいところだろう。
進むにつれ、未消化が散見される、ように思えるけれど、果たして消化できるもんだろうか、という根本的な問題が残る。
ご本人も言っていたけれど、これは漫画じゃ描けないな〜。
エッセイとかの一見私事のものって、案外その人が出なくって、漫画とか小説とかの一見作りごとの方がその人が滲み出る(この場合は、あらかじめ自伝的、って言ってるから違うんだろうけど)。
装丁がイマイチ、内容にややそぐわないな〜、って思ったら、
5年前に新しくなったのね(Kindleだけ?)、こっちの方がいい。

