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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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Salt is not salty


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2010年代の数年を福岡で暮らした。
12年前の7月頭に引っ越し、程なく、このお塩のことを知った。

すぐにでも見に行きたい!
私は考えるよりも先に体が動いてしまうんだけど、調べるといかんせんアクセスがよくない。
う〜む、超優良ペーパードライバーだしなぁ、私。

4年前、そのとき関わっていた案件で、取材したい! 取材しよう!という話になった。
それは、プリン(お塩をかけて食べる)に焦点を当てたもので、お塩そのものではなかったものの、それでも心が躍り、喜び勇んで連絡を入れたら、なんと機械トラブルで、「復旧の見通しがまだ立たないんで」と申し訳なさそうにお断りが入った。

こればっかりは仕方ないよねぇ。
とにかく、早く復旧するといいね。
こちらとしては、予定を組んだ後でなかったのが、救い、でもあり。

そうして、とうとう現地を訪ねないまま、東京に戻った。

・・・

私は、北九州市の情報誌「雲のうえ」の読者(というか、所有者)である。
初めて出合ったのは、2000年代半ば、雑司ヶ谷の小さな雑貨店(&古本屋?)でだった。

なに、これ!

地べたの文化、18歳まで隣県で生まれ育ったので、知っている空気感
(北九州市はこちら側、福岡市は近いけど、見えざる壁があって、あちら側、なんだよね〜、私の感覚では。実際、文化も言葉も違うし)。
衝撃を受けるとともに、ぱらっとめくっただけで、すっかり魅了されてしまった。

当時、もうすでに私はすっかり東京の感覚だった。
そりゃそうよ、渡英などで離れた時期はあったとはいえ、高校を卒業した18歳から住んでるだもん、仕事もだし、ごはん食べに行くのも街遊びも、何するのも東京に来てからだもん。

雲のうえ」は、スタッフは地元在住じゃないから、その外からの視点での切り取りに、おおおお〜っ!となり、膝を叩いた。
かつ、18歳までとはいえ、なんせ近かったから、取り上げられていることの基軸とか土地勘とかはあるわけで、
両眼で楽しめるのにすっかり興奮してしまったのよね。

そうだよね、そういうことだよな〜、ってしみじみ。これぞ、まさに私のスタンス。
そのお店にはバックナンバーもあったので、すべて持ち帰る。

以降、引っ越しでも大事に連れて行き、でも、あるとき、増殖する一方の紙ものを前にこりゃいかん! 思い切って手放そう、勢いづけに愛着があるものからにしよう、となった。
でも、なあ、捨てるつもりは毛頭ないし、フリーペーパーゆえタダでもらったものを売るのはどうなの、だし。

悩んだ挙句、(当時)面識はないに等しかったけれど、この方なら大事にしてくださるだろう!(とはいえ、その後は煮るなり焼くなり捨てるなり、お好きにどうぞ、ではあるんだけど、所有しているギリギリまでの、せめてもの私サイドの心情としてね)と見込んだ方に(勝手に)送りつけた。でも、また欲しくなって(というか、眺めたくなって)、あれま、バックナンバーがすべて揃うにいたり、手元に確保している。

・・・

この「雲のうえ」の編集委員を創刊から務めているのが、画家の牧野伊三夫。
現在、2023年5月16日(火)~7月17日(月)の間、三軒茶屋のキャロットタワー内にある、世田谷文化情報センター「生活工房」で展覧会が行われている。

企画展のタイトルは“塩と杉”。
よくよく見たら、塩のパートは、新作絵本『塩男』からのもので、
この絵本のモデルが福岡県の糸島で「またいちの塩」を手がける平川秀一氏。

またいちの塩」こそ、まさに私が取材したかったのよ!
っと、牧野さんと平川さんのギャラリートークがあるじゃないの!

・・・

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なわけで、6月10日(土)、出かけました、とさ。
製塩を始めたきっかけ、店名の由来、など、取材できていたら訊いたかもしれないことやら、絵本作りの側面は、あ〜、そうなんだ〜、ってことやら。
牧野さんは、生まれ育ちこそ、だけど、もう東京の人だから、地理的なこととか、適宜言葉を補ってくれながら平川さんとのトークは進んだ。そうなんだよね、そういうことなんだよね〜。

私とて、12年前に福岡に住むまでは糸島、ってエリアの存在、知らなかったもの。
地元の人が知ってて当然、知ってる前提で、あれこれ話をしてきて、???が頭の中を飛び交ったもの。

・・・

つくづくね、東京にいると、大阪から西って、言葉こそ通じるものの、感覚としては外国で未知の世界だし、物理的にもだけど何より心理的に遠いから、情報をキャッチするアンテナは乏しい、はっきり言って眼中にないんだよね〜、と感じる。

なんでだろう。

ほかにも、ん?ってことが多々あり、考えた結果、もともとの東京人もいるけど、高度経済成長期に東北からやって来た人たちが多くって、彼らの価値観が、今の東京のある意味ベースになっているから、というのが私の持論
(転勤で東京に来て、数年住んだ高校の同級生が、カルチュラルショックを受け、なんでだろう、と考えて出した結論が、私と同じだったんだよな〜)。
かつ、ちょっと前までは、旅行先にしても、東京からなら特に東〜東南アジアに行く方が、大阪以西へ移動するよりも断然安かったわけだし。
そりゃ、なかなか情報は入ってこないよなぁ、いい悪いじゃなくってね。

・・・

まあ、そんなわけで、まさか東京で、「またいちの塩」の話を直に聞けるとは思わなかったよ。でもって、東京で、だったのは、いろいろ面でフラットだった、と思う。
この日はお塩の販売もあって、イギリスから連れて帰ったシーソルトがそろそろなくなりそうなので、買って帰った次第。
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sat 10/06/23






by ricoricex | 2023-06-13 00:00 | 九州の味