
Met my 18 year old self.
パブロフの犬のごとく、飛び出してしまう。
混むんじゃない、と言われ、私自身そう思った。土曜日だし。
時系列で観たいので、まだ雨だったけれど、朝イチを目指した。
『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』 @ 目黒シネマ(東京)
去年、4K&2Kレストアでかかって、特に『気狂いピエロ』は機会を見つけてはいそいそと出かけた。
何度見ても飽きない。何度見ても新しい。生涯の1本。
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初めて観たのは、1987年。上京した年で、冬に向かう季節だった、と思う。
今はなき、名画座、八重洲シネマにて。
観終わって、外に出たら世界が一変して見えた。頭の中を『勝手にしやがれ』の「New York Herald Tribune」と『気狂いピエロ』の「私の運命線」がぐるぐる。
そのとき、18歳の私には、『勝手にしやがれ』がとにかくおもしろい!だった。
『気狂いピエロ』はよくわからなかった。
わからなかった、んだけど、しばらくして、強烈なイメージがフラッシュバックしてくる、映像が断片的に蘇ってくる。
八重洲シネマの後も、いくつかの名画座でかかった、と思う。
高田馬場東映パラスでもかかり、観に行って、ポスターをもらった。
20代を住んだ家で、ずっと飾っていた。
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目黒シネマの休憩スペースでしばらく立ちすくんでしまった。
20代の私が毎日家で眺めていたポスターがある!
写真の真ん中は、本国、のだろうけど、いつのだろう。
右は5〜6年前になんでだったかな、かかったことがあって、そのときのだろうか? 早稲田松竹でかかったのはよく覚えていて、というのも、当時、東京に住んでいなくって、でもしょっちゅう来ていたから観たかった、んだけど、タイミングが会わなくって行けなかったんだよなぁ。東京に住んでいない自分に肩を落とした、このときだけじゃないけど。
そして左が私が初めて『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』に出合ったときのポスター。
映画の内容の割に、去年4K&2Kレストア上映のとき(今回貼られているのもこれ)&右側のポスター、全然ダメだなぁ。
妙に爽やかだったり、メロドラマっぽかったり。
そうじゃないだろ!
じゃあ、左側のポスターはどうか。
『勝手にしやがれ』は緑の挿し色含めていいな、と思う。
『気狂いピエロ』については、判断ができない。。。家に10年ほど飾っていて、あまりに日常化しちゃったからなぁ。
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1987年で初めて観た頃、『気狂いピエロ』は“きちがい”と読ませてもらえなかった、記憶。
“きぐるい”って言わせていたんじゃないかな。
テレ東あたりの深夜枠の映画でもかかっていたような、、、(曖昧、怪しい)
それで、かもしれないけれど、放送コードにひっかるとかなんとか、だったかと。
アホか。
今は、“きちがい”と読ませている。
1980年代終盤から1990年代、『カイエ・デュ・シネマ』の日本版が出たり、『Studio Voice』で特集が組まれたり、カルチャー系の雑誌も多く、ゴダールもよく取り上げられた。
買ったはいいが、それらの評論が頭が痛くなることがほとんどで、頭のいい人たちが細かいところのひとつひとつに意味を見出そうとするのはよくわかるし、それはそんなもんだと思ってるんだけど、彼らの姿勢が自分たちは理解できる、知識も知性も教養もある上等な人間、わからないと発しようもんなら、「お前はバカだ」って居丈高で言い放つような空気で充満しているように感じられて、気分がよくなかった。
え〜、(初期の)ゴダールって、特に『気狂いピエロ』って、映画ならではの表現を極めたもので、
“考えるな、感じろ”の世界で、その世界に浸って楽しむ、それでいいんじゃないの。
・・・
『気狂いピエロ』の最後の対訳が、1987年にかかったときのと違う、ときいた。
あっ、ほんとだ! 違う!
思い込みっておそろしい。
去年から何度も観ているけれど、あまりに有名な引用で、1987年にかかったときの頭ですっかりいたのだ。
でもって、新たに気づいたこともあって、確認したいなぁ。また観に来ちゃうのかなぁ、私。
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劇場は札止め、とはいかないけれど、そこそこの入り。
若い子が多い印象。女の子2人連れ、男の子2人連れ、とか。
若いのに来るんだ、と思ったけれど、36年前、18歳の自分もそう思われていたんだろうな。
写真撮ったり、感想を言い合ったり、楽しそうでいい。
目黒シネマが好きなのは、うんちくありき、じゃない、おもしろそうだから来てみた、って観客が多いから。
で、来館するとスタンプを押してくれて(貯まったら無料で入れる)、スタンプのデザインが特集ごとに変わる。
「いつもありがとうございます!」
「今回は、はさみ、なんですね。あっ、そういうことか!」
「はい、そういうことです!」
なんてのも微笑ましい。

sat 03/06/23

