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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

「生誕120年 没後60年 小津安二郎展」@神奈川近代文学館


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滑り込みで間に合った!
今日は天気にもいいし、混んでるんじゃないか、って不安を抱き、Twitterをのぞいたら、午後は混みそう、ってことで午前中をめがけて行く。
ゆっくり回れないのなら、港の見える丘公園とか元町とか、1999年秋ぶりにぶらぶらするとしよう。

いざ、到着。
拍子抜け。どおってことなかった。
っつーか、小津ですら、コロナ明けですら、こんな長閑なの?

「生誕120年 没後60年 小津安二郎展」@神奈川近代文学館
https://www.kanabun.or.jp/exhibition/17721/

・・・

神奈川近代文学館はロケーションがいい。建物もいい。
高台にあるから、入っている飲食店からの眺めが良さそうで、ここでのんびりしたい。

予告編が4本も観れたのがよかったな(この文学館の椅子が低くってどっしりと包み込まれるようでいい)。
絵コンテや日記とかハガキとか、母親の手紙とか、シンガポールでの映画メモとか、うなぎの店のリストのメモ帳とか、いろいろな角度からの資料がわかりやすく展示してあった。
丁寧、ではあるんだけど、躍動感に欠ける、というか、もう少し遊び心を加えるとよかったように感じる。

映画『彼岸花』に登場した赤いやかんが、思ってたよりもひと回りほど大きくって、驚いた。

私は『東京暮色』が好きでねぇ。有馬稲子のやるせなさがとにかくいいのよ。私がお気に入りの山田五十鈴もいいし。2018年のポスターもいい。

『生れてはみたけれど』も好きで、英語のタイトルは『I Was Born But...』だけど『I Was Born, Though』の方がしっくりくるなぁ。

戦争の時代もはさんでいるけど、変に戦争色を持ち出さず、資料を淡々と見せているのがよかった。

図録が、めちゃくちゃ詳しく、ではないけれど、展示を落とし込んでで、こういう資料性の高いものに耐えうる紙を選んでいる、のかな(いわれるがまま、たまたま、って気もしなくもないが)。
勢い余って(笑)、過去に展示のあった中原中也と松本清張も購入したはいいが、
機関紙「神奈川近代文学館」160号(小津安二郎展への寄稿あり)を買い忘れた。。。

・・・

ただね、小津や黒澤(明、ね)は、必要以上に評価が高い気がする。
教科書的な扱いも気になる。されど、ではあるけど、たかが、映画じゃないの、娯楽じゃないの。

もちろん両者とも優れた監督だと思うけど、傑作もあればイマイチもある、私には、ね。
そして、その基準が、外国(というか欧米)受けがいいから(に見える)、ってのがな〜んかね。

だって入ってすぐの展示が、10年に一度、英国BFI(媒体としては“Sight and Sound”)が発表するオールタイム・トップ100の2022年版で順位が高い、なんだもん。げんなり。
海外の評価が高いのをありがたがって印籠のように持ち出さなくもて、よその顔色をうかがわなくても、自分はこうです! うちはうち(よそはよそ)、って、なんで言えないかなぁ。


sun 28/05/23




by ricoricex | 2023-05-29 00:00 | 映画