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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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ロールケーキはあってもroll cakeはないんです


ロールケーキはあってもroll cakeはないんです_e0038047_23575561.jpg

スポンジケーキに生クリームや果物などをフィリングにくるっと巻いたものを、
ロールケーキ
と言いますよね。

ここまでは、別段どおってことないのですが、これをアルファベット表記にして、
roll cake としているケースが、なんと多いことか!
そして、それを見るたびにモヤモヤが沸き起こるのです。

直訳すると、 “巻きケーキ”
なんじゃそりゃ。

モノを見れば通じなくはないだろうけど、不思議な感覚を引き起こします。
なぜなら、“roll”は動詞だと“巻く”だし、名詞だと“巻いたもの” “巻き”なので、ロールケーキを英語に置き換えるとすれば、
“(sponge) cake roll(スポンジケーキを巻いたもの/スポンジケーキ巻き)”
“rolled cake(巻いたケーキ)”
にしないと具合が悪い。

実際にイギリスでこの手の巻いたケーキをどう呼ぶか、っていうと、
“swiss roll”
“roulade(語源はフランス語。巻いたもの、の意味で、名詞の“roll”と同じ)”
(一般に“(sponge) cake roll”とはあまり言わない。説明っぽく響くから、かな?)

スイス・ロールはシンプルにジャムとかクリームを巻いたタイプで、これがチョコレート味なら、“chocolate swiss roll”になるといった具合。
そして、これを基本に、フィリングなどの特徴を打ち出したいときは、“swiss roll with strawberry and cream(イチゴとクリームのスイス・ロール)” などと表現することが多い。

“roulade”はポッシュな感じ。
フランスパン(イギリスではフレンチスティック)ではなくバゲットと呼ぶのと感覚が近いか、と。

どうでもいい! 通じればいい!という声もあります。
日本人だけを相手にお飾りでアルファベット表記する分にはそれでいいのでしょうが(だったらアルファベット表記をしない方がかえっていいのでは、って気がします)、
私自身は、こういう表記に気を配っているお店やメーカーを見ると、信頼できるなぁ、と感じ、ひとつの指針にしています。


ちなみに、これ(↓)も同じような感じだな〜。



~~これまでの関連記事も併せてどうぞ
○<イギリス菓子・レシピ> スイス・ロール【Swiss Roll】 → https://ricorice.exblog.jp/21064106/
○<イギリス菓子・レシピ> 粉なしチョコレートロール【Flourless Chocolate Roulade】 → https://ricorice.exblog.jp/27684188/
○サンドはサンドイッチの略にあらず → https://ricorice.exblog.jp/24092432/
○Sweet Toothは甘い歯じゃないよ! → https://ricorice.exblog.jp/24708188/
○piece of cake(ピース・オブ・ケーキ)とslice of cake(スライス・オブ・ケーキ) → https://ricorice.exblog.jp/24060924/


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by ricoricex | 2019-05-03 00:00 | イギリス的表現