ジンジャーブレッドはやっかいな食べ物です。
食品としてのジンジャーブレッドではなく、その定義が、ね。
ブレッドとはいうものの、バナナブレッド同様、その内容はパンというよりはケーキ。
そして、紛らわしいことに、クリスマスの時期に
微笑ましい表情で登場する、ショウガ風味のビスケットは、
ジンジャーブレッド・マンと呼ばれます。
こちらはケーキではなく、ましてやパンでもなく、
パキッとした食感のビスケット。
なので、ジンジャーブレッド・マンと同じ生地で作る、
人間の形をしておらず、かつ表情のないものは、
ジンジャー・ビスケットなどと呼んだりしますが、
ジンジャーブレッドとジンジャー・ビスケットの明確な使い分けは見られず。
それが証拠に、ジンジャー・ビスケットを使って家に見立てたものは
ジンジャーブレッド・ハウスであり、
ジンジャー・ビスケット・ハウスではない、というややこしさです。
ここで紹介するのは、ケーキタイプのジンジャーブレッド。
イギリスでは一般的なケーキで、その派生系も多く、
11月5日のガイフォークス・デイ(ボンファイヤ・ナイトとも呼ばれる)のお菓子として知られる
パーキンもそのひとつです。
ジンジャーブレッドはこういった定義がかたまっていないことで、
どんなものか想起しやすくするためか、
ジンジャー・ケーキと呼ばれることも少なくありません。
そして、ラムを入れるわけではないのに、
ジャマイカン・ジンジャー・ケーキとすることがあるのも、おもしろいところです。
ジンジャーブレッドは名前のとおり、ショウガを効かせたお菓子ですが、
ブラック・トリークルを使うのもポイント。
日本では入手しづらいので、私のレシピでは黒蜜で代用させました。
<材料(12×21.5cmのパウンド型1本分)>
薄力粉……175g
重曹……小さじ1 1/2
ジンジャーパウダー……小さじ1
シナモン……小さじ1/2
ナツメグ……小さじ1/4
バター……60g
ハチミツ……50g
黒蜜……75g
三温糖……50g
卵……1個
牛乳……100ml
<作り方(調理:18分 オーブン:1時間)>
下準備
*型にバターを塗り、クッキングシートを敷いておく。
*オーブンを180℃に温めておく。
1. 卵をときほぐす。
2. 鍋にバター、ハチミツ、黒蜜、三温糖を入れて弱火にかけ、混ぜ合わせる。
3. 2のバターがとけて、三温糖が全体になじんだら火からおろす。
4. 薄力粉と重曹、ジンジャーパウダー、シナモン、ナツメグを合わせて、2〜3度ふるい、真ん中にくぼみを作る。
5. 4のくぼみに1のときほぐした卵、牛乳を入れ、混ぜる。
※多少、粉っぽさが残っていてもよい。
6. 5に3を加えて混ぜる。
7. 6の生地を型に入れる。
8. 180℃のオーブンで1時間焼く。
※途中、表面が焦げそうになったら、アルミホイルで覆う。
9. オーブンから取り出したケーキは型に入れたまま10分以上、そのままにしておき、その後型から出し、網の上で冷ます。
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