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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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イギリス政府、2年以内にプラスティックストロー廃止の方針を打ち出す


イギリス政府、2年以内にプラスティックストロー廃止の方針を打ち出す_e0038047_19235593.jpg

2018年10月22日(月)、イギリス政府から以下の発表がなされました。
「プラスティック製ストロー、綿棒、マドラーの廃止案を計画」
Government launches plan to ban plastic straws, cotton-buds, and stirrers
https://www.gov.uk/government/news/government-launches-plan-to-ban-plastic-straws-cotton-buds-and-stirrers


ここにきて、ようやく日本でも報道されるようになった、海洋プラスティック汚染。
その取り組みとして、イギリス政府は、
プラスティック製のストロー、綿棒、マドラーの流通そして販売を
来年2019年10月から2020年10月の間に廃止する方針を発表しました。

現在、イギリスでは年間でプラスチック製ストローが47億本、綿棒が18億本、マドラーが3億1,600万本消費されています。
これらの3品目については、すでに代替品が市場に存在していると、イギリス政府は判断し、
それをふまえて、この方針が打ち出された模様です。
ただ、全面廃止、というわけではなく、医療の現場などではプラスチックストローは必要との認識はなされています。


海洋プラスティック汚染軽減のためにプラスティックストローをやめよう、という動きは、
日本でもようやく取り組みを始めた企業が出てきたので、
なぜなのか、その理由については広く報道されているので、ここでは割愛しますが、
先日、「そんなこと言ってもイギリスの牛乳はプラスティックボトルに入っているじゃん」と言われ、
それはそれで取り組みをする時期に来たように思えますが、
プラスティックストロー、綿棒、マドラーがなぜ問題かというと、そのサイズにあるからなんですよね。
その細さ、小ささゆえ、ゴミ処理をすり抜けてしまう、からなんです。


また、これはピンとこないかもしれませんが、
綿棒については、イギリスでは10%がトイレに捨てられ、下水を通って海に流れ着いているとされています。
対象になっているのはそのためです。


このニュース、イギリスの主要メディアでは以下のように伝えています。

The Guardian(イギリスの新聞)
Plastic straws and cotton buds could be banned within a year
https://www.theguardian.com/environment/2018/oct/22/ban-on-plastic-straws-stirrers-and-cotton-buds-pollution-could-come-into-force-by-2019


The Independent(イギリスの新聞)
Plastic straws and cotton buds could be banned from next year in bid to tackle ocean pollution
https://www.independent.co.uk/news/uk/politics/plastic-straws-pollution-oceans-marine-michael-gove-environment-government-a8592186.html


Metro(ロンドンの新聞(フリーペーパー))
Plastic straws could be banned within a year
https://metro.co.uk/2018/10/22/plastic-straws-could-be-banned-within-a-year-8061785/


The Morning Advertiser(イギリスの飲食メディア)
Plastic straws could be banned by October 2019
https://www.morningadvertiser.co.uk/Article/2018/10/22/Plastic-straws-could-be-banned-by-October-2019



冒頭でご紹介した政府の発表の中には、この案の理由のひとつとして、
“In England we are taking world-leading action with our ban on microbeads, and thanks to the public’s support have taken over 15 billion plastic bags out of circulation with our 5p charge. ”というのがあり、ここで、
“環境問題への取り組みとして、イギリスは世界の旗振り役である”とうたっていて、
賢いな〜、と思ってしまいました。

私は、あらゆる面から2020年東京オリンピックには反対で、今も、早く返上すれば?と思っているのですが、
政府のプロパガンダの場としては非常に好都合なわけで、
なんでこういうことを日本がやらないのかな?と思うわけです。

レジ袋とか過剰包装とかが氾濫している今の日本の状況は、
外国人、特にこういうことに意識が高いヨーロッパ人から見れば、
“ていねい”とは思わず、“余計なこと”“時代遅れ”と感じるだろーなーと想像するにかたくないわけです。

ヨーロッパ人のやることに歩調を合わせよう、ということではなく、
環境問題は待ったなし!にきていて、そういう時代になったわけで、
遅かれ早かれ着手しなければならない。
だったら先発隊をいくのが、しかも大々的に宣言していくのがいい、
オリンピックなんてアピールする絶好の機会じゃないか、と思うのですが、
おもてなしだの、どーでもいいことばっかり。

企業では独自でそういう動きをするところも出てきていますが、
プラスティックストロー、綿棒、マドラー、レジ袋、
そして、日本の場合は過剰包装をなんとかするだけでも大きな一歩だと思うのですが、
なかなか腰が重い状況は、
お客のために、というよりも、
何かあったときやクレームがきたときに、
責任を取りたくない、私たちはこんなにもやっています!のポーズなんだろうなぁ。


~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○イギリスのレストランの動向に見る、これからの店舗や会社に求められるもの → https://ricorice.exblog.jp/27355146/
○イギリスおよびアイルランドのマクドナルドでプラスティックストロー廃止へ! → https://ricorice.exblog.jp/27287954/
○英国コーヒーチェーン最大手のコスタが、紙コップのリサイクルに本気で取り組む → https://ricorice.exblog.jp/27159168/




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by ricoricex | 2018-10-24 00:00 | イギリスの食ニュース