目立つようになったのは2000年代中盤以降で、
それまではポツポツと見られたのが、加速度を上げて多店舗化していったのは。
あれよあれよという間に、ここにもあそこにも店舗ができて、
ロンドン中心部では、そこかしこで見られるようになりました。
それが理由だったとは思わないし、
拡大するときは無理しても一気にした方がいい時期はあるだろうと認識しているのですが、
こういう浮き沈みは、何のビジネスでも同じだなぁ、何が起こるかわらかないなぁ、と感じた次第です。
イギリスで150以上の店舗がある、ベーカリー・カフェ、パティスリー・ヴァレリー/Patisserie Valerie。
https://www.patisserie-valerie.co.uk
生クリームやフレッシュな果物でデコレーションしたケーキやタルトなど、
イギリスではなくフランス風(ベルギー風なのかな? というのも創業者のマダム・ヴァレリーはベルギー人なので)のお菓子がウリ(だと思う)お店で、
店名の“PATISSERIE VALERIE”のアール・ヌーヴォー調の書体も印象的です。
このパティスリー・ヴァレリーが、先週後半、2018年10月10日(水)からメディアをざわつかせ、
その状況が随時伝えられました。
何があったか、というと、不正経理の発覚。
すぐさま支払いをしないと、倒産の危機に.。
これが10月10日(水)のこと。
翌10月11日(木)。
財務責任者を逮捕。事件としての調査を開始。
10月12日(金)には、
パティスリー・ヴァレリーグループの経営執行役会長のルーク・ジョンソン/Luke Johnson氏が2000万ポンドの資金繰りをして、
間一髪、とりあえず倒産の危機はまぬがれた模様です。
ただし。
額が額ですので、これからどうなるのかなぁ、というのが私の印象です。
1926年に創業して大きくなったお店も、なくなるのは一瞬かぁ。
積み上げたものも、何かあれば一瞬で崩れちゃうんだよね
(お店がなくなるって決まったわけじゃないけど)。
私はパティスリー・ヴァレリー自体に思い入れはないけれど、
ケンジントンのブロンプトン・ロードにあるナイツブリッジ店(V&Aミュージアムの道をはさんでナイツブリッジ寄りに位置)は、
前を通ることが多く、すっかり“そこにあるもの”という認識になっていたので、
風景が変わるかもなぁ、なんてことをぼんやり思ったのでした。
このパティスリー・ヴァレリーの不正経理のニュース、
ぐぐればどっとたくさんの報道が上がってきます。
ざっと状況をつかむべく、当ブログでは、
イギリスの食メディア“Big Hospitality”による、すっかりまとめられた記事を時系列で以下にご案内します。
Patisserie Holdings suspends chief financial officer over fraud probe
https://www.bighospitality.co.uk/Article/2018/10/10/Patisserie-Holdings-suspends-chief-financial-officer-over-fraud-probe
Patisserie Holdings' finance director arrested
https://www.bighospitality.co.uk/Article/2018/10/11/Patisserie-Valerie-facing-collapse-closures
Patisserie Holdings outlines £20m rescue package
https://www.bighospitality.co.uk/Article/2018/10/12/Patisserie-Valerie-restaurant-LukeJohnson-saved
~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○お茶@ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム・カフェ/V&A Café(ロンドン) → https://ricorice.exblog.jp/26090115/
○ジェイミー・オリヴァー、自身の言葉でレストラン経営危機を語る → https://ricorice.exblog.jp/27464189/
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