(もはや国籍が違っても、日本人ルーツ的なものはあれほど持ち上げるのに)。
ジュン・タナカ/Jun Taknaka
1971年、アメリカ合衆国・ニューヨーク生まれ。幼少時に家族でイギリスに移り住み、飲食業でキャリアをスタートさせたのは19歳のとき。
ロンドンの名だたるフレンチレストランで修業、経験を積み、2004年、Chancery Court Hotel内Paerl Restautrantのエグゼクティブヘッドシェフに就任。
2015年、自身がオーナーシェフとして、The Ninthをロンドン・フィッツロヴィアにオープン。
https://www.theninthlondon.com/
このジュン・タナカに取材をした、一問一答形式の記事が、
2018年7月27日(金)づけのイギリスの飲食メディア“Big Hospitality”にありました。
Flash-grilled: Jun Tanaka
https://www.bighospitality.co.uk/Article/2018/07/27/Jun-Tanaka-The-Ninth
なかなかにおもしろい内容だったので、以下にご紹介したいと思います。
~~~~~~~~
- スマホに使っている壁紙は?
iPhoneの標準装備のもので、特にどうこうはしていません。
- 人生初の仕事はいかがでしたか?
Le Gavroche(筆者注:ロンドンのミシュラン星つきフレンチレストラン)での見習いが初仕事。白衣を着て、ネッカチーフをして、白いズボンを履いて、白い帽子をかぶって。イギリスでも指折りのレストランに、クリケットの審判のような出で立ちで入っていったことを覚えています。
- ゴードン(・ラムジー)派? マルコ(・ピエール・ホワイト)派?
フィル(・ハワード)派、ということで(笑)。
(筆者注:ゴードン・ラムジーも、マルコ・ピエール・ホワイトも、フィル・ハワードも、イギリスを代表するフレンチシェフ。ジュン・タナカは、マルコ・ピエール・ホワイト、およびフィル・ハワードの元で働いた経験あり。マルコ・ピエール・ホワイトとゴードン・ラムジーは師弟関係)。
- 最近、映画館で観た映画は?
『デッドプール2』。1の方がよかったかな。2も決して悪くはないんですけどね。
- つい食べちゃうものってありますか?
インスタントラーメン。放っておくと、本当に毎日食べてしまうので、自分の中で決まりを作っているんです。
- 次の休暇はどこで過ごす予定ですか?
デンマークのコペンハーゲン。いろいろ食べ歩きたいと思っています。
- 飲食業界で尊敬している人は?
Patty and Bun創設者のJoe ジョー・グロスマン。6年前にハンバーガーショップをポップアップから始めて、今や実店舗13軒のを抱えるまでに急成長させました。そう聞くと、料理の質が落ちたんじゃないか、と危惧してしまいそうになりますが、そんなことはまったくなく、質はキープしたまま成長拡大しています。彼の情熱と意気込みはとどまることを知らない。ジョー・グロスマンのモットーは「ビッグになる。(それができなければ引退する)」。そのタフで怖いもの知らずな姿勢はただただ尊敬するばかりです。
- シェフでなかったら何をしていたと思いますか?
水中カメラマン。ダイビングが好きなんです。妻は否定しますが、私自身は写真の腕もそこそこだと思っています(笑)。
- 人生最大の後悔は?
実は、リュック・ベッソン監督の映画『フィフス・エレメント』にエキストラ出演を依頼されたことがあるんです。その頃は修業の身でしたから、映画出演のために休みをとりたい、とシェフに訊いたところ、答はNo。仮病を使って仕事を休んで、映画に出演すればよかったなぁ。
- 我慢できないことは?
傲慢さ。
- これまでお客さんから受けた中で変わった注文は?
“低脂肪のヴィーガン料理を作って欲しい。でも、ラングスティーヌのラビオリは問題ないですけど”と。
- マーマイトは好き? 嫌い?
好き。
- あなたの料理スタイルを3つの単語で表現してください。
シンプル、躍動感がある、味わい深い。
- 次に訪問したい国は?
チリ。パタゴニアに行ってみたいですね
- 過大評価されているなぁ、と感じる食べ物はありますか?
サマー・トリュフ。フレイヴァーがまったく感じられず、私に言わせればボール紙を食べているようなものです。
- 1日だけ飲食業界のトップに立って権力が与えられたら、何をしますか?
(レストランなどに課せられる)事業税の廃止。この税金は一体何に使われているのか、まったくもって不明です。調査に入られたことがありますが、当局の職員自身がその仕組みを理解していないのですから。
- これまで受けた最低の評価は?
ロンドン・ホルボーンのPearl Restaurantでシェフをしていたときのことです。AAギル(筆者注:イギリスを代表するレストラン評論家のひとり。2016年没)が、私の料理をスーパーマーケット、M&Sの冷蔵/冷凍食品のようだ、と評したんです。夜中に入手した早刷り(筆者注:AAギルが連載していた、新聞「The Times」の日曜版「The Sunday Times」のことと思われる)の記事を見たら、5点満点中、2点。すっかり狼狽してしまって、記事にちゃんと向き合えるまで、ソーホーを1時間ほどうろついたのを今も覚えています。
- シェフになろうと思った理由は?
食べるのが好きだから。
- オフの日は家でどんな料理を作るのですか?
家では滅多に料理をしません。たいていどこかに食べに行きますね。
- 飲食業界を目指す人に、ひと言アドヴァイスをお願いします。
自分自身に正直であること、そして自問自答をし続けること。
- これなしでは生きていけない調理器具をひとつだけ選ぶとしたら。
パスタマシーン。
- 使っているのはiPhone? アンドロイド?
iPhone。
- これまで受けたなかで、いちばん有益だったアドヴァイスは?
1にも2にもフレイヴァー。フレイヴァーがすべて。
- 最初の記憶は?
兄が私を棚に押し込んで、ドアをバタンを閉めようとした際に、足の指をはさんだことです。今でも思い出すと、その時の痛みが蘇ります。
- リラックスしたいときに行く場所は?
2カ月に一度“ステーキナイト”と称して、友人と連れ立ってレストランに食事に行きます。ジャンルはさまざまですが、テーマは“ステーキナイト”なので、肉料理に焦点を当てます。先日訪ねたのは、Smokestak。非常に素晴らしく、とりわけ牛のブリスケットがよかったですね。
- ツイッター派? それともインスタグラム派?
インスタグラム。
- 日常的に飲むお酒は?
トスカーナの赤ワイン。
- 最後の晩餐で食べたいものは?
バケツいっぱいのカラビネーロ海老(筆者注:地中海産の甘みの強い海老)。
〜〜〜〜〜〜〜〜
映画出演を依頼された、と知って(もっともエキストラではあったのですが)、さもありなん!と深く頷いてしまいました。
昨今の情勢から、また私自身も普段は気にかけないので、こういうことを書くのは非常に憚られるのですが、
ジュン・タナカを初めて見た時、その端正で妖気漂う姿にくらくらしてしましました(笑)。
男前とかいうのとはちょっと違うかもしれなくって、何と言うか、ものすごく色気があるんですよ。この匂い立つような色気はすごいなぁ。
普段(というのは語弊があるなぁ、仕事で、です)、いわゆる著名人とかに会っても、それはそれ、仕事は仕事、どうこうはないのですが、
ジュン・タナカは実際にお目にかかったら、ぼーっとして口がきけないかも(笑)。
理性をまったく欠いた、きゃっきゃっはしゃいだ内容ですみません!(笑)
~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○英国の伝説のシェフ2人がタグを組んで仏レストランをオープン! → https://ricorice.exblog.jp/27351717/
○伝説のシェフ、マルコ・ピエール・ホワイト、イングリッシュワインに吠える → https://ricorice.exblog.jp/26045434/
○なんと! プレミアリーグの新スタジアムは、ミシュラン星つき店の料理を提供 → https://ricorice.exblog.jp/25847517/
○「サンデー・タイムズ」のレストラン批評家にマリーナ・オローリンが! → https://ricorice.exblog.jp/26073000/
○オブザーバー・フード・マンスリー・アウォーズ2017 → https://ricorice.exblog.jp/26085869/
○トン・チー・ウィーへの一問一答 → https://ricorice.exblog.jp/22904288/
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子』は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ダイレクター/ライター”羽根則子のブログです。
・プロフィール ・活動内容 ・著書
(↑お手数ですが、それぞれクリックしてくださいね)
・お仕事・講演などのご依頼は、
chattexあっとまーくyahoo.co.jp までメールでご連絡を!