“挟む”を意味する“サンド”は、完全にカタカナ英語。
英語では“挟む”を意味する“サンドイッチ”を“サンド”とは略しません。
なので、イギリスのケーキの定番中の定番、
ヴィクトリア・サンドイッチ(・ケーキ)をヴィクトリア・サンド(・ケーキ)と呼ぶことも
絶対と言っていいほどありません。
なせかっていうと、英語の頭だと、
サンド=sand=砂
になるから、なんですよね。
“サンド”ときいて、“サンドイッチ”を連想することはなく、まず思い浮かべるは“砂”ってわけです。
今回ご紹介するサンド・ケーキは、その象徴といってもいいでしょう。
名称の理由は、何かを挟んだケーキではなく、その食感が砂のようだから。
サンド・ケーキは現在あまり見ないタイプですが、イギリスの伝統的なケーキのひとつで、
パウンドケーキと同じ配合ゆえ重さのあるヴィクトリア・サンドイッチ(・ケーキ)と
ふわふわと軽いスポンジ・ケーキの中間、といったところ。
“砂”と称されるザクザクした食感は小麦粉だけでなく、ライスフラワー(米粉)だったりコーンスターチだったり、アーモンドプードルだったり、別の粉の配合を多くして作るからです。
確かに、このザクザク感と軽やかな食感は、夏場でも食べられる軽快さ。
スポンジ・ケーキと違ってデコレーション要らずなので、
焼きっぱなしでいい手軽さもいいところです。
かつてはシェリーと一緒に食べていたとか。
コーヒーや紅茶は熱いのはもちろん、冷たくても違和感なく合います。
ほうじ茶や中国茶と合わせてもよさそうです。
<材料(直径18cmのケーキ型1個分)>
バター……70g
グラニュー糖……85g
卵……2個
薄力粉……25g
ライスフラワー(米粉)……50g
コーンスターチ……60g
ベーキングパウダー……小さじ1 1/2
レモン……1個
粉糖……適量
<作り方(調理:25分 オーブン:25〜30分)>
下準備
*バターを室温でやわらかくしておく。
*型にバター塗り、クッキングシートを敷いておく。
*オーブンを180℃に温めておく。
1. 薄力粉とライスフラワー、コーンスターチ、ベーキングパウダーを合わせて、2〜3度ふるう。卵をときほぐす。レモンの皮をすりおろし、レモン汁大さじ1分を搾る。
※レモンの皮をすりおろしたものと搾り汁は一緒にしておいてよい。
2. ボウルにバターを入れ、クリーム状になるまでやわらかくする。グラニュー糖を加え、軽く白っぽくなるまでさらにかき混ぜる。
3. 2に1のふるった粉類を少し入れ軽く混ぜ、卵を3回に分けて入れ、混ぜる。
4. 残りのふるった粉類を入れて混ぜ、レモンの皮をすりおろしたものとレモン汁を加えてさっくりと混ぜる。
5. 4の生地を用意しておいた型に流し入れ、表面をならす。
6. 180℃のオーブンで25〜30分焼く。表面に焼き色が付き、生地がかたくなったらOK。
7. オーブンから取り出したケーキは型に入れたまま10分以上そのままにしておき、その後型から出し、網の上で冷ます。
8. ケーキが冷めたら皿におき、粉糖をふる。
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