そう、フェアリング/fairingとは、もともとはお祭りで出る食べ物全般のこと。
しかし、時間の経過とともに、お祭りで人気のあったお菓子、
ショウガ風味のビスケットを指すことになります。
イギリスではお菓子にショウガを使うことが少なくなく、とりわけ多いのがビスケット。
ジンジャー・スナップやジンジャーブレッド・マンがその代表格で、
コーニッシュ・フェアリングもそんなビスケットのひとつです。
実は私、ショウガ自体は苦手ではないのですが、
ショウガ風味のお菓子を好んで食べることはありません。
でも、このコーニッシュ・フェアリングは別。
それは、ショウガだけでなく、オールスパイスやシナモンなども使い、
いろいろなスパイスが合わさって、やさしく香るビスケットだから。
フェアリアングはイングランド各地で売られていましたが、
なぜコーンウォールと名前が付いていて、今の時代まで愛されてきたのか。
それは19世紀後半、コーンウォールはTruro/トゥルーロという土地でティールームを経営していた
John Cooper Furniss/ジョン・クーパー・ファーニスという人物のアイディアにあります。
1986年、自身のティールームでビスケットを販売したところ大きな人気を獲得。
ついには、メールオーダーでの遠方の人々にまでその味わいが届けられるようになります。
彼のティールームがコーンウォールにあり、
コーンウォール(から)のフェアリング、ということで、
コーニッシュ・フェアリングという呼び方が定着したと考えられています。
コーニッシュ・フェアリングは、粉類をふるい、バターを合わせ、ゴールデンシロップでまとめ、
オーブンで焼く、という、簡単に作れる部類のビスケット。
当レシピでは、ゴールデンシロップではなく入手しやすいハチミツで代用しています。
スパイスがやさしく香るコーニッシュ・フェアリングは、
イギリスのお茶の時間、カジュアルなマグのミルクティーにぴったり。
材料さえあれば、すぐに作れる手軽さもうれしいお菓子です。
<材料(24個分)>
薄力粉……100g
重曹……小さじ1/2
ドライジンジャー……小さじ1/4
オールスパイスー……小さじ1/4
シナモン……小さじ1/4
ナツメグ……ひとつまみ
バター……40g
グラニュー糖……40g
ハチミツ……大さじ2
<作り方(調理:25分 オーブン:10分×2回)>
下準備
*天板にクッキングシートを敷いておく。
*オーブンを180℃に温めておく。
1. 薄力粉と重曹、ドライジンジャー、オールスパイス、シナモン、ナツメグを合わせて2〜3度ふるう。バターを適当な大きさ(3cm角より小さいとよい)にカットする。
2. フードプロセッサーに1の粉類とバターを入れ、そぼろ状になるまで回す。
3. 2をボウルにあけ、グラニュー糖を加えて混ぜ、真ん中にくぼみを作る。
4. 3のくぼみに、ハチミツを注ぐ。
5. 手で生地をひとつにまとめる。
6. 5の生地を24個に分割し、準備しておいた天板に丸めて置く。
7. 180℃のオーブンで10分焼く。
8. 焼き上がり、粗熱がとれたら網の上で冷ます。
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