2017年2月上旬、イギリスの経済紙“ファイナンシャル・タイムズ/The Financial Times”にあったのはこんな記事。
ロンドンのパティスリー・ベスト5
Five of the best: London patisseries
https://www.ft.com/content/fb688eea-e74d-11e6-967b-c88452263daf
選ばれたのは以下のお店です。
01. Dominique Ansel Bakery
02. Café Lanka
03. Aux Merveilleux de Fred
04. Aux Pains de Papy
05. Patisserie Saint-Anne
ここに並んだ5軒、タイトルに“パティスリー/patisseries”とあるようにパティスリー。
何のこっちゃ、と思われるかもしれませんが、
このpatisseries(patisseriesはpatisserieの複数形なので後ろにsがつきます)って言葉、英語にズバッと当てはまる言葉がないんですよね。
“ベイカリー/bakery“とか“ベイクショップ/bake shop“という言い方は確かにあるけれど、英語でイメージするこれらの言葉は、(焼きっぱなしの)焼き菓子やパン。
bakeしたもの、それに重きをおく捉え方なので、お菓子もパンも焼いたもの(bakeしたもの)であれば、しっかり守備範囲です。
“ケーキショップ/cake shop“っていうこともあるけれど、
これは“ベイカリー/bakery“とか“ベイクショップ/bake shop“がもう少し広がって、
バタークリームとかをのせたケーキだったり、シュガークラフトを施したものだったり、ってイメージ。
なので、日本でケーキ屋さんって言ったときにパッとイメージするような、また日本語としてもそのまま使われるようになった“パティスリー/patisserie”、果物や生クリームとかできれいにデコレーションした生ケーキ(アントルメ)をメインとするケーキ屋さんって、英語、少なくともイギリスにはその概念がない(なかった)んですよね。
だから、フランス語をそのまま使って、“パティスリー/patisserie”と言うという、そのいいサンプルがこのタイトルです。
実際、ここでピックアップされているのも“パティスリー/patisserie”。
後半の3つは店名からしてフランス語そのままだし、
01の Dominique Ansel Bakeryにしろ、02のCafé Lankaにしろ、フランス菓子がベースだから、ね。
あっ、01のDominique Ansel Bakeryは日本にもお店がある、クロナッツで一躍世界にその名を轟かせたNY発パティスリーです。
こういう言葉の使い方を眺めるだけでも、イギリスの食シーンのあれこれが透けてみえますね〜。
~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○イギリスで行きたいベイクショップ・ベスト7 → http://ricorice.exblog.jp/25307911/
○ロンドンのかわいいケーキ屋さん・ベスト9 → http://ricorice.exblog.jp/24744359/
○ロンドンのベスト・ベーカリー&ケーキショップ → http://ricorice.exblog.jp/24331357/
○クロナッツ(のようなもの)in London → http://ricorice.exblog.jp/21474143/
○クラミック/cramique@オー・メルヴェイユ・ドゥ・フレッド/Aux Merveilleux de Fred(ロンドン) → http://ricorice.exblog.jp/21376550/
○お菓子のハイブリッドはつまるところマッシュアップ? → http://ricorice.exblog.jp/21185677/
(↑104の英国お菓子ストーリーを詳しく紹介しています!)
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