塩釜焼きのようにたっぷり使う場合もあれば、大さじ、小さじなどできっちりとした分量がふさわしいこともあります。
が、なかでも一番使用頻度が高いのは、仕上げだったり下味をつけたりするのに、ちょっとだけ、というパターンではないでしょうか。
これ、日本語だと、
“ひとつまみの塩”
これに当てはまる言い方が英語にもありまして、
a pinch of salt
と表現されます。
そう、pinchとは“ひとつまみ”の意。
a pinch of salt(ひとつまみの塩)
a pinch of sea salt(ひとつまみの海塩)
a pinch of ○○
が適応されるのは、塩のように粒子が細かくってさらさらしたもの。
なので、スパイス類、たとえばシナモンで用いられたりもします。
ここで注意が必要ですが、
“ひとつまみ”は厳密には親指、人差し指、中指の3本の指先でつまんだ程度、分量にして小さじ1/5〜1/4。
しかし“pinch”の場合はもっと少なく、“ひとつまみ”の半量以下、小さじ1/16〜1/8ぐらいかなぁ、という印象です。
ということは“ひとつまみ”というよりは、親指と人差し指2本の指先でつまんだ分量、小さじ1/8〜1/6の“少々”の方が“pinch”に近い。
ただですね、“ひとつまみ”と“少々”の違いって、そんなに知られていないかな。
感覚として、“ひとつまみ”の方が“少々”より少ないんじゃないか、って思われがちではないでしょうか。
おまけに、単に言葉としてみた場合の“pinch”に該当する日本語は“ひとつまみ”になるわけですし。
そこまで厳密に考えなくてもいいのかもしれませんが、まあ、ズレがあるということで、補足です。
ところで、このpinch、カタカナにするとピンチ。
つまむ、ってことで、ピンと来た方はいらっしゃるでしょうか?
洗濯バサミは英語でpinch。まさにつまむような恰好ではさみますよね。
以下、余談。
a pinch of saltを使った慣用句に、
take 〜 with a pinch of salt
というのがあります。
これ、“鵜呑みにしない”“疑ってかかる”“話半分できく”という意味。
take 〜 with a pinch of salt の“a pinch of salt”は“a grain of salt”に置き換えられることもあり、これ、ラテン語の“cum grano salis”を英語に訳したもの。
原典は大ブリニウスの『博物誌』。
塩粒を解毒剤として紹介 → 物事を塩粒1つ欠けたものとして受け入れる →物事を疑いを持って受け入れる
と意味が転じていったもですの。
なので、take 〜 with a pinch of saltは英語ですが、
同じ語源を持つ、同じ言い回しがヨーロッパ各国に存在します。
というわけで、
pinch → ひとつまみ
と覚えてくださいね。
ではでは~!
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