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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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イギリスのスパークリングワインはシャンパーニュより上?


イギリスのスパークリングワインはシャンパーニュより上?_e0038047_20231482.jpg
このタイトルは、フランス、ではなく、日本のフランス崇拝者が鼻であしらいそうですが(確かに食の世界では、フランスはベースですし、もちろん素晴らしいこともたくさんあるけれど、もはやすべての面で秀でているわけではない。プロモーションはうまい!と思うけど)。。。
でも、紛れもない事実なんですよね〜。

それは、イングランドのスパークリングワインがフランスのシャンパーニュより好評価を得たって話(↓)。
Landmark tasting in Paris toasts English sparkling wine’s rightful place on the world stage
http://www.englishwineproducers.co.uk/news/latest/a-landmark-tasting-in-paris-toasts-english-sparkling-wine-s-rightful-place-on-the-world-stage/


English sparkling wine beats champagne in Paris blind tasting
http://www.telegraph.co.uk/news/2016/04/20/english-sparkling-wine-beats-champagne-in-paris-blind-tasting/



このイギリス対フランスのブラインド・テイスティングが行われたのは、今年2016年4月19日(火)のパリ。
各国から1本ずつを3つの部門で対決させる方式で、いずれもイングリッシュ・スパークリングワインがより味わい深い、とされた結果に。
これ、かつて、カリフォルニアワインがフランスワインより高評価を得た「パリスの審判」を思い起こさせるじゃないですか(「パリスの審判」の詳細については、ぐぐってみてください)。

具体的な内容は、というと、

<ブレンド部門>
イングランド:2009 Ridgeview, Bloomsbury £28
シャンパーニュ:NV Jacquesson, Cuvée No. 738 £38

<ブラン・ド・ブラン部門>
イングランド:2009 Nyetimber, Blanc de Blancs £40
シャンパーニュ:NV Billecart-Salmon, Grand Cru Blanc de Blancs £65

<ロゼ部門>
イングランド:2011 Gusbourne, Rose £37.99
シャンパーニュ:NV Ayala, Rosé Majeur, Champagne £35


私自身、ここ10年来、イングリッシュワインの動向を眺めているのですが、オリジナル記事にもあるように、ここ数年の隆盛ぶりには目を見張るものがあります。
それは実際に数字にも表れており、まずはワインの原料となるブドウを栽培する畑が飛躍的に増えていること。
フランスの高名なシャンパーニュメゾン、テタンジェがイングランドに畑を購入したニュースも記憶に新しく(→ http://ricorice.exblog.jp/23996871/)、今後ますます国内外のメーカーが乗り込んでくるでしょう。
ワインそのものも、2014年は賞を受章したワインは265だったのが、翌年2015年は365も!
ワインの生産量も増え続けており、昨年&一昨年の当たり年で約500万本の生産量を誇り、2020年にはなんと倍の1000万本のワインの生産が見込まれています。


ところで、このブラインド・テイスティングに参加した人のコメントに「イングランドのスパークリングワインはとてもフレッシュで飲み口がさわやか」というのがあり、これ、私も大きく同意。

イングランドでスパークリングワインを生産している地域、サセックスやケントはシャンパーニュと土壌や気候が似ています、そして製法も。
ならば味や香りも、似かよると思いきや、味や口に含んだときのシュワシュワ感においてはさほどでもないのですが、香りは大きく異なります。

私は、実はシャンパーニュのイースト香があまり得意でなく、でも同じような条件で作っているイングランドのスパークリングワインに強いイースト香を感じたことがなく、あるとき、イギリスのワイナリーで訊ねたことがあります。
答は、単純明快。使用するイーストの違い。
これが国民性の嗜好による違いなのか、新しく参入したところほど(つまりイングランド)より新しいことの試行錯誤をした結果なのかわかりませんが、このあたりぐっと探ってみたいですっ!


~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○仏シャンパーニュメゾン、テタンジェがイギリスに畑を購入! → http://ricorice.exblog.jp/23996871/
○英国スパークリングワインの売上げが急上昇! → http://ricorice.exblog.jp/23982747/
○ジャンシス・ロビンソンが選ぶスパークリングワイン → http://ricorice.exblog.jp/23926194/
○シャンパーニュ&スパークリングワイン世界チャンピオンシップ・入賞ワイン発表 → http://ricorice.exblog.jp/23695449/
○イギリスのスパークリングワイン → http://ricorice.exblog.jp/23361253/




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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ライター/アドバイザー”羽根則子のブログです。

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by ricoricex | 2016-05-21 00:00 | イングリッシュワイン