次いで、白、スパークリング、ロゼ、といったところでしょうか。
これらのワインの原料となるブドウは大きく、赤ワイン用の黒ブドウ、白ワイン用の白ブドウとに分けられます。
これは皮の色による識別。
一般にワイン用ではありませんが、わかりやすいところでいえば、巨峰は黒ブドウ、マスカットは白ブドウとなります。
見れば一目瞭然ですね。
この黒ブドウと白ブドウ、大雑把に言うと、暖かいエリアでは黒ブドウが、冷涼な地域では白ブドウの栽培が適しています。
イギリスは涼しいエリアですから、赤ワインよりも白ブドウの栽培が盛んです。
実際に、イングリッシュワインは約9割が白とされ、圧倒的に白が主流です。
特に寒くなるこれからの季節は、赤ワインが恋しくなりますよね。
イギリスの赤ワインの特徴を一言で言うと、軽めでエレガント。
先に述べたように、これは冷涼な地域で栽培されたブドウを使うため。
赤ワイン、イコール、どっしりとコクのある濃厚なタイプ、と思いがちですが、必ずしもそうとは限らないのです。
濃い赤ワインは、温暖なエリアで育ったうまみが凝縮したブドウを使ったもの。
さっぱりめの赤ワインは、冷涼な地域のブドウを使ったものとなります。
となると、イングリッシュワインの赤の場合は、一般的に赤ワインに向くといわれる肉(牛肉など)料理よりは、鶏肉の方が合うかと思います。
より具体的にいうと、牛肉の赤ワイン煮込みよりは、鶏肉のローストの方が適しているか、と。
なので、寒くなる時期に登場する機会の多い、鍋ものなんかに合わせてもおもしろい。
料理と合わせるときには、赤ワイン、というよりもロゼややや重厚な白ワインと捉えるとよく、となると、日本の食卓の場合はどっしり重い食事というよりも適度なものを食べることが多いので、イギリスの赤ワインは使い勝手が非常にいいかなとも感じます。
とりわけ、ピノ・ノワールは、黒ブドウではピカイチの栽培量です。
これらに続くのが、ロンド、リージェント/レゲント、ドルンフィルダーと、同じく冷涼地であるドイツの赤ワインで使われるブドウ品種が見られます。
そして、私が個人的におもしろいなぁ、とつくづく思っているのが、イギリスの赤ワインは生産量が少ないからこそ、個性的なワインが散見されること。
この個性とは、ワイナリーの造り方や使用するブドウ品種、土壌や天候などブドウが栽培されるエリアの特性によるものです。
国際的なアウォーズで高評価を得ている良質なもの、本当にイギリスで造ったの?と思わせる骨太なタイプ、地場品種を使ったユニークな味わいのものなど、一筋縄でいかない赤ワインがいろいろあります。
いささか古い情報で恐縮ですが、2010年に私が訪問したワイナリーでは、地元の大学と組んで、地場品種のブドウの栽培、そしてワイン醸造に取り組んでいるところがありました。
赤ワインの生産により注力しているワイナリーもあり、これから先、あっと驚くようなワインが誕生するかもなぁ、と期待を寄せています。
~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○イギリスの白ワイン → http://ricorice.exblog.jp/23742812/
○イギリスのスパークリングワイン → http://ricorice.exblog.jp/23361253/
○ところで、イングリッシュワインって何? → http://ricorice.exblog.jp/22889149/
○イングリッシュワインの歴史 → http://ricorice.exblog.jp/22925146/
○イングリッシュワインを楽しむ5つの方法 → http://ricorice.exblog.jp/22074269/
○英王室とイングリッシュワイン → http://ricorice.exblog.jp/22969516/
○「Red」によるイングリッシュワイン指南 → http://ricorice.exblog.jp/22762303/
○イングランドのワイン → http://ricorice.exblog.jp/19446877/
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