かつての軍人たち、現在はロンドンはチェルシーにあるロイヤル・ホスピタルに入居している年金受給者たちはチェルシー・ペンショナーと呼ばれます。
(っと、ペンションとは、小規模なホテルといった宿泊施設の名称ではなく、年金という意味です、お間違えのないよう)
彼らの姿は、戦争関連のニュースやイベントで、テレビや新聞などで目にすることはあったものの、その日初めて地下鉄で目撃しました。
夜11時頃だったかと思います。
2014年秋、会食を終えて戻る地下鉄でのこと。どこからか2人のチェルシー・ペンショナーが乗り込みました。
冒頭に記したようた出で立ちでなんせ目立ちますから、すぐにチェルシー・ペンショナーと分かります。
おっ、話しかけたいと思った矢先、先に話しかけた人たちがいました。
ウクライナだったかな、の旅行者でした。どこから来たんだい? 旅行かい?などと気さくに会話を交わし、写真撮影にも快く応じていました。
その光景を見ながら、話しかけなくてよかったと思いました。
どこから来たの?と問われて、日本からです、と答えたら、彼らは一体どんな表情をしたのでしょうか?
(あとで、イギリス人の友人に「あはは〜。フィリピン人です、タイ人です、って言えばよかったじゃない」と言われました。そう、私はロンドン在住のフィリピン人に「ねえ、あなた、フィリピン人?」と話しかけられること幾度か。タイに行くと現地のタイ人にタイ人と間違えられるし。東アジアというよりは、南方系の顔立ちなんですよ。
でも、そのときはどうしようが先立って、機転がきかなかったのです。)
ロンドンの友人の友達に現在80代手前の人がいます。
彼はまさしく!なイングランド人で、たとえば別荘があるスペインに滞在するときも、旅行で出かけるタイでも、ひたすらイギリス料理を食べ続けるという。。。
(今の若い世代は違うでしょうが、ひと昔前の世代は自分の食習慣などをそのまま現地に持ち込んでいて、別荘や休暇先として人気のあったスペインで、彼らはひたすらフィッシュ&チップスを食べていると揶揄されていました。)
私と話しているときはそんなそぶりをみせないのですが、実は日本が大大大嫌い。
それは戦時下の記憶と、おそらく学校教育、そして日本では終戦記念日である8月15日のVJデイ(Victory for Japan Day/対日戦勝記念日)が近づくにつれて日本軍がイギリス軍(捕虜)に何をしたのかを含め先の大戦を振り返るメディア報道に拠るものであることは、疑いの余地がないでしょう。
ちなみにこのVJデイでは戦没者への慰霊も行われますが、むしろ勝利を祝う日といった様相です。
ときに日本の皇室の方々が訪英されることがあります。
天皇訪問の際に、凱旋パレード(という言い方でいいのかしら?)が行われたことがありました。
歓迎ムード一色では決して、決してないんですね。
一角には憎悪を露にして抗議活動をしている人たちがいる。その数は少なくない。理由は先の戦争時のことです。
あるとき、広島を訪ねたイギリスの友人に言われました。
「日本は、日本人はアメリカを憎悪していないのか?」
こういうこと、ほかの国の人と接するときにどうにも避けて通れない。
戦争に限らず、ですが、現在は過去の積み重ねの上に成り立っていることを改めて考えます。
そして、立場が違えばものの見方も変わることを痛感するのです。
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