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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

広島アンデルセン


世の中においしいものはいっぱいあって、う〜むと唸るような感動があったり、はっと脳天を割られるような驚きがあったり。
そういうのって、もっともっと、と言葉を替えれば、とかくオブセッシブな方向へ行きがちなのですが、それとは別に体になじんだ味というのがあって、ダウン・トゥ・アースというのかなぁ、食べると戻ってきたなぁと思えるもの。
系列のタカキベーカリーやリトルマーメイドで育った私にとって、アンデルセンはそんなお店です。

2週間ほど前、たまたま広島に行く機会に恵まれ、とはいえさほど自由な時間があったわけではなく、かろうじてランチに広島アンデルセンに行くことができました。
バタバタだったため、写真はなし。

場所は、市内中心部のアーケード街の一画。
通りに面してカフェがあり、人々が談笑しながら食事をしたりお茶を飲んでいる様子がうかがえます。
お店は角に位置するため、入り口は2カ所。おばさまスタッフが扉を開けて中に招き入れてくれます。
入って右手にカフェ、右奥にパンコーナー、左手にお花屋さん、ジャン=ポール・エヴァンのチョコレートブティック。
パンだけでなく、焼き菓子やデリ、ワインやチーズも揃えていて、見ているだけで楽しい。
パンは大きな石窯が陳列スペースの奥に見られ、焼き上がったものが次々と並べられます。
ワインは、私がずっと注視していた自社ワインもあったのですが(アンデルセンは広島の中国山地に農場をもち、小麦などの農作物の栽培をはじめ、ワイン造りも行っています)、荷物を持ち歩くことができず泣く泣く断念。
レジのところにあった瀬戸内の柑橘類を使ったクグロフもおいしそうだったなぁ。。。

食事スペースは2階にあり、ちょっと高級なフードコートといった趣。
サンドイッチ、デリ、ピザ&パスタ、中国料理、デザート、ドリンクなどのセクションに分かれていて、それぞれのところで好きなものをオーダーしてテーブル席で食べるというもの。
ここが通常のフードコートと違うのは個々に支払いをするのでなく、まずはエスカレーターをあがってすぐの受付けで個人番号を出してもらい、それを各セクションで見せてオーダーし、最後にまとめて会計するというシステム。
システムをよく理解していなくって、先にメニューをオーダーしたのですが、スタッフの方が気をきかせてよろしく取りはからってくださいました(笑)。

広島に来たのは14年ぶりです。
今住んでいる福岡からも、実家のある山口からも近いのに、なかなか行くことができませんでした。
街は変わったような変わってないような。
外国人観光客が多いのは相変わらずですね(人口比率では日本でもトップクラスの多さだと思います)。

1年ほど前だったか、この広島アンデルセンの建物が取り壊されるのでは、というニュースを見ました。そのあと、これは!とうかがう機会を狙っていてやっとの機会がこの日でした。
広島アンデルセンの建物は、1925年、三井銀行広島支店として新築されたルネッサンス様式の建物。アーチ窓を配した重厚な外壁、天窓から外光が差し込む吹き抜けの周囲に中2階の回廊を有し、1945年に被爆したものの生き残り、1967年に広島アンデルセンとして生まれ変わったのです。
記事の内容からどうやら耐震補強のため、ということは理解したのですが、果たして本当に取り壊される方向で進んでいるのか、お店の方にうかがいました。
結果は、どうやら未定のようです。
ただ、どの方向であれ、耐震補強工事は来年2016年に行うことは決定していて、そのため、取り壊しになるかも?の記事が先走りしてしまったとのこと。
おそらく、の前提で、建物は取り壊しにはならない可能性が高いかも、と。
とはいえ残すにしても耐震補強工事は行うわけだし、新しく建物を作るにしても、現在の店舗での通常営業は来年早い時期までとのことでした。
(現在の地で縮小営業になるのか、移転営業になるかは不明)

そのスタッフの方曰く、全国からその件の問い合わせや実際にやって来る人も多いそうです。
この方、とても感じのいいおばさまで、店内のスタッフの方の平均年齢は高め。客層も高め。
例えが適切かどうかわかりませんが、モスバーガーが積極的に高齢者の方を雇用していて、マニュアルとは違ったほっこりするサービスだったりするでしょ、あれに近い。
ただ、広島アンデルセンの場合は、それとは違って、年齢でいうと50代と思われる方をよく見かけ、年取ってからではなく、若い頃に入社なさって長年ずっと働いてこられたんだろうなぁと思われます。

ちなみに3階はショップ&イベントスペース、4〜6階はパーティフロアです。
単にパンにとどまらず、お花屋さんがあることが象徴的なのですが、パンのある暮らし全体をボトムアップしたいという強い思いがうかがえます。
こういう信念が文化になるわけだし、こういうお店がある街って幸せだなぁ、とつくづく感じました。
次はちゃんと時間を作って来ようと思います。

wed 14/04/15


〜〜過去の関連記事も併せてどうぞ
○アンデルセン → http://ricorice.exblog.jp/21098895/



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by ricoricex | 2015-04-29 00:00 | 店レポート(日本)