イースターに関連した情報は、イギリスをはじめキリスト教文化圏のウェブサイトでは、各社のイースターエッグ(チョコレート)やお菓子のレシピなどたくさん出回ります。
たとえば、こんなものも(↓)。
イースターを祝すケーキ7選
The best cakes for Easter 2015
http://www.standard.co.uk/lifestyle/foodanddrink/the-best-cakes-for-easter-2015-10098080.html
そんな中、ワインに関するものを見つけました。
出拠は、日本にもあるインターネット新聞「The Huffington Post」UK版の2015年3月3日(火)づけの記事で、以下のものです。
イースターの食べ物とワインのペアリングを考える
A Guide to Easter Food and Wine Pairings
http://www.huffingtonpost.co.uk/jim-gore-aiws/easter-food-and-wine_b_6790314.html
執筆したのは、WSET(イギリス・ロンドンに本部のある、ワインをはじめアルコール類の教育機関)で教えている人物。ちなみにこの記事が、The Huffington Post初投稿です。
<メイン料理>
イースターの時季といえば、ラム。
(筆者注:なぜ羊か、というと、季節というのもありますが(肉、特に小さなものは旬があるのです)、イエス・キリストは「世の罪を取り除く神の小羊」とされていたからです。また、伝統的にはイースターまでは断食の期間があり、断食明けに食べるごちそうがラムなのです。イースターでは、ラムはローストにして食べるのが一般的です)
ラムに限らず、イースターにはローストを食べたいもの、ヴェジタリアンならヴェジタリアン仕様で。
このとき、塩をきつめに使うのがポイント。
そして合わせるワインは、酸味や渋味がやわらかく、どっしりした味わいの赤ワインがおすすめ。
フランスはボルドーのメドックのカベルネ・ソーヴィニヨン主体のものがいいでしょう。よりブドウが濃縮した感じがよければ、南アフリカやオーストラリアのものを。
<魚料理>
キリスト教で魚料理といえば、“Fish Friday”と呼ばれるように金曜日と相場が決まっていて、となると、イースター直前の金曜日、Good Fridayに食べる人も多いのでは。
たとえば、スモークサーモン。スモークサーモンは風味が強いので、豊かなフレイヴァーを持つニュージーランドのマールボローやチリのソーヴィニヨン・ブランの白ワインが合います。
白身魚、スズキのグリルにレモンを添えたものなどは、フランスのシャブリがよく合います。
スモーキーだったり脂ののった魚には、酸味の強い白ワインと覚えておきましょう。
<お菓子>
イースターならではのお菓子もワインとのペアリングを楽しむことができます。
概して、甘いものに辛口ワインを合わせると、ワインの苦さが強調されるので、あまり賢明な選択とはいえません。
厳密には、イースター直前の金曜日、Good Fridayのお菓子、ホット・クロス・バンであれば、ドゥミ・セック(英語だとハーフドライ)の甘めのスパークリングワインが合います。
フランスのヴーヴレはハチミツを思わせる甘味があり、スパイスを使うパン菓子のホット・クロス・バンにマッチします。
<チョコレート>
一般に、チョコレートとワインの組み合わせは、残念ながらあまりよくないのが実情です。
でもまったく合わないというわけではありません。
このときのポイントは、チョコレートはカカオ含有量が高いものを選ぶこと。
ワインは甘口のフォーティファイド・ワイン/酒精強化ワイン、ルビーポートやトゥニーポートと合わせるとよいでしょう。イタリア・ヴェネトのレチョートもいいですよ。
チョコレートに関しては、2013年秋、イギリス滞在中に参加した、ワインとチョコレートのペアリング講座で、まさに同じ内容のことを、実際に味わいつつ体験しました。
ルビーポートやトゥニーポートはぱっと思いつくのですが、確かにレチョートも合うんですよね。
Have a lovely Easter!
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