撤退に伴い、ウェブサイトも閉鎖されたのですが、なかなか反響も大きく、ヴァージン アトランティック航空から許可もいただいたこともあり、当ブログで改めてご紹介していきます。
コラム連載とブログ掲載の違いや、情報のアップデートなどをふまえて記事を整えて掲載しますので、これまでに読んでいただいた方にも改めて楽しんでいただけるかと思います。
そんなわけで、まずは“ところで、イングリッシュワインって何?”という総論から。そういえば、当ブログではこれまでワイナリー訪問やそのときどきのニュースをご紹介していたものの、軸となる“イギリスのワインとは何ぞや”ということについて綴っていなかった。。。
イングリッシュワインとは文字どおり、イングランド、ひいてはイギリスのワインのことで、とはいえピンとこない方もいらっしゃると思います。そう、イギリスでもワインは造られているのです。
イギリスのワイナリーは小規模なブティックワイナリーがほとんどで、生産量が多くないため、日本ではあまり見ません。それもあって日本での知名度はこれから、ですが、それでも扱っている店舗は少しずつ増えてきているように感じます。
イギリスのあるワイナリーを訪問したときに、オーストラリアの一般的なワイナリー/ヴィンヤード(ブドウ畑)の規模に比べると、イギリスのワイナリー/ヴィンヤード(ブドウ畑)はせいぜい駐車場程度のスペースだよ、とおっしゃっていたのが印象に残っています。
とはいえ、年々産業としての規模は大きくなっており、現在イギリスには約470のヴィンヤード(ブドウ畑)があり、10年前の2倍以上もの栽培面積となっています。2014年には、イングリッシュワイン(&ウェルシュワイン)の輸出額はついに100万ポンドの壁を超えると見られています。
国外での輸出も伸びているということは、イギリス国内のみならず海外でも人気が高まっている証拠にほかなりません。
English wine sparkles as exports look set to break £100m this year
http://www.theguardian.com/uk-news/2015/jan/07/english-wine-exports-100m-farming-growth-elizabeth-truss
Sussex vineyards in bid to put themselves on Europe's wine map
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2015/mar/15/sussex-wine-producers-ask-eu-protect-status-pdo-vineyards
ところでイギリスのワインには、イングリッシュワイン(&ウェルシュワイン)とブリティッシュワインとがあります。前者は、イングランド(&ウェールズ)でとれたブドウを使って造った正真正銘のイギリス産ワイン。後者はイギリスでの生産過程があるもの、つまり原料となるブドウ(ジュース)は輸入したものを使用したりしたワインのことです。
わざわざウェルシュワインとウェールズをかっこに入れたのは、イギリスでブドウ栽培が可能なところは南部、イングランドとウェールズですので、真のイギリスのワインとしては、イングリッシュワインとウェルシュワインが存在します。
日本のワインも、同じような意味合いで、日本ワインと国産ワインという区別をしますので、そのことをご存知の方は同じ状況だと言えばわかりやすいでしょう。
ですので、“イギリスのワイン”を飲みたい方は、ブリティッシュワインではなくイングリッシュワイン(もしくはウェルシュワイン)を選んでください。
イングリッシュワインは、とりわけスパークリングワインにおいて評価が高く、フランスのシャンパン(シャンパーニュ)に負けるとも劣らないとも。
それが証拠に、国際的なアウォードに輝くワインやワイナリーがいくつもあります。
その質の高さから、イギリス王室をはじめ、さまざまな国のイベントで使われたりしています。
そう書くと、格調の高さばかりが優先されがちですが、イングリッシュワインにはさまざまな種類のものがありますし、気軽な楽しみ方もできますので、ご心配なく!
こういったことについても、おいおい綴っていきます。
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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子』は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ライター/アドバイザー”羽根則子のブログです。
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