そのひとつ、ノッティンガム・グーズ・フェアは地域で一番古いもので、
その歴史は13世紀に遡ることができる。
10月の第一週に開催され、市の名前のとおり、グーズ(ガチョウ)が取り引きされていた。
これらのグーズはロンドンに持ち込まれ、クリスマスの食卓にのぼった。
(筆者注:クリスマス・ディナーは、現在ではターキーを使うことが多いが、
イギリスでは伝統的にはグーズが利用された。)
また、この市で並んだのはグーズだけではない。
ビスケット、ブランデー・スナップ、グーズベリー・パイといった食べ物も軒を賑わせた。
現在、市はファンフェアと姿を変え、グーズの取り引きこそないものの、
今も人気のあるイベントである。
グーズと聖ミカエル祭は切っても切れない関係にある。
聖ミカエル祭にグーズを食べる習慣は、
クリスマスにロースト・グーズを食べる習慣へと引き継がれた。
ノッティンガム・ロースト・グーズはこのエリアでよく食される一品である。
グーズの皮は塩とコショウをまぶし、刻んだリンゴ、セージ、パン粉を詰めて焼く。
途中、2度串で刺す。余分な脂を落とし、同時にパリッとした焼き上がりにするためである。
クッキングアップルの代名詞的存在、ブラムリーはノッティンガムシャーで生まれた品種である。
このブラムリーを使ったこの地方の菓子に、ノッティンガム・バター・プディングがある。
ベースとなる作り方は次の通り。
ブラムリー6個は皮をむき、芯をくり抜き、耐熱皿におく。
バター、砂糖、スパイスを混ぜたものを、それぞれくり抜いたブラムリーの芯に注ぐ。
卵4個は卵黄と卵白に分け、ほぐした卵黄に、かたく泡立てた卵白を混ぜ、
ブラムリーに回しかける。
中温のオーブンで焼くこと約50分。
焼き上がったら、グラニュー糖をふりかけ、クリームを添えてサーヴする。
ピーク・ディストリクトの清涼な水は、採取できる量も申し分ないため、
ミネラルウォーターとして流通される。
アッシュボーン、ボクストンが2大名水地だ。
これらの地名のラベルが付いたミネラルウォーターを見たことがある人も
多いのではないだろうか。
イギリスと一口に言っても、
ところによって気候も違えば土壌も違う、嗜好が違う、食べ物が違う。
その違いは、たとえ小さなものでも大きな発見で、楽しさと喜びにあふれている。
(終わり)
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