ウスターソースは世界的にその名を知られ、
厳密にはソースではないが、フレヴァーをつけるのに欠かせない調味料としてあまりに有名である。
このウスターソースの産みの親は、ウスターシャー出身のサンズ卿である。
インドでベンガル知事の任務を終えて、
帰途に着いた彼はインドからあるレシピを持ち帰った。
これを薬剤師のジョン・リーとウィリアム・ペリンズという2人の人物に
レシピを再現するように依頼する。
果たして、でき上がったものはひどい代物だった。
忘れかけていた数カ月後、棚にはその試作品がまだ眠っていた。
試しにためてみたところ、
以前のおぞましい味はどこへやら、熟成が進み、丸みが加わり、
おいしいソースに変身していたのである。
これこそが、今もイギリスの家庭に欠かせない調味料、
リーペリン・ソースの始まりである。
ウスターソースの作り方は今も門外不出である。
分かっているのは現在も作り方を変えず、そしてオーク樽で数カ月寝かせることだ。
ウスターソースは魔法の調味料である。
ほんの数滴かけるだけで、
煮込み料理もスープも肉のグリルもチーズ料理も
さらにおいしく変身させてしまうのだから。
さらに、ひとつ補足を。
二日酔いにうってつけとされるカクテル“prairie oyster”は、
トマトジュースにウスターソースを加えたものである。
これまで見て来たように、
グロスターシャー、ウスターシャー、ヘレフォードシャー、
これらの州は高品質の食材の産地であり、美食を生み出している。
訪ねるたびに新鮮な驚きがある。
(終わり)
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