実はほかのイングランド西部の州ほどではないにもかかわらず、
この州が乳製品の盛んな地と思われているのには理由がある。
それはクローテッド・クリーム。
クローテッド・クリームはコーンウォールを代表する名物だからだ。
クローテッド・クリームといえばスコーンであり、クリームティーである。
(筆者注:クリームティーとは紅茶とスコーンのセットのこと。スコーンにはクローテッド・クリームとジャムが添えられる)
コーニッシュ・スプリッツもスコーン同様、ティータイムのお菓子をして食べられるが、ともに欠かせないのはたっぷりのクリーテッド・クリームとイチゴのジャムである。
クローテッド・クリームは保存もラクなため
(筆者注:日本とは気候条件などが異なるため、
日本でのクローテッド・クリームの取り使いとは異なる)、
観光客はおみやげに買って持って帰ったり、郵送したりする。
クローテッド・クリームもほかの加工品同様、
まったくの手作りのところがないわけではないが、
現在では工場生産されるものがほとんどである。
クローテッド・クリームは黄味の強い色をしており、
独特の風味とコクのある味わいが特徴である。
クローテッド・クリーム、そしてほかのクリームも
この地方では食材として多用され、
豚ヒレ肉のマスタード・クリームソースやアイスクリームなど、さまざまに使われる。
チーズに関しても、近隣のエリアほど盛んというわけではない。
そんな中、コーンウォールで代表的なチーズと言えば、コーニッシュ・ヤーグだろうか。
牛の乳を原料に作られた、風味豊かでクリーミーなチーズで、
なんといってもその見た目に大きな特徴がある。
このチーズ、ネトルの葉で覆われているのだ。
また、量こそ多くないものの、ヤギや羊のチーズもコーンウォールでは作られている。
テイマー渓谷で早摘みされるイチゴも格別だ。
同じベリー類のグーズベリーも忘れてはならない。
焼いたサバにグーズベリーのソースを添えた一品は
コーンウォール随一の郷土料理でもあるのだから。
(・・続 く・・)
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イギリスの地方料理 コーンウォール 01 http://ricorice.exblog.jp/22454176/
イギリスの地方料理 コーンウォール 02 http://ricorice.exblog.jp/22485399/
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