フランスのアイスクリームは、イタリア・フィレンツェのメディチ家のカテリーナ/カトリーヌが
フランスのオルレアン公に嫁いだ際に、
専任シェフらとともにアイスクリーム職人を伴ってお輿入れしたことによりもたらされました。
イギリスに入ってきたのは、約90年後の1624年。
フランスにアイスクリームがもたらされたのと同様、
イギリスにアイスクリームが入ってきたのもメディチ家と関係があり、
カテリーナ/カトリーヌの孫娘ヘンリエッタ/アンリエッタがチャールズ1世と結婚する際に、
祖母であるカテリーナ/カトリーヌ同様、
アイスクリーム職人を伴って結婚したことがきっかけだったとされています。
ヘンリエッタ/アンリエッタにより紹介されたアイスクリームに
チャールズ1世はすっかり夢中になり、
さまざまなアイスクリームを考案させたと言います。
そのひとつが、今もデザートメニューなどに登場する、
グラス・ナポリタン/ナポリタン・アイスクリームで、
バニラ、ストロベリー、チョコレートの3つのアイスクリームの組み合わせです。
なぜ、この3色アイスクリームが
グラス・ナポリタン/ナポリタン・アイスクリームと呼ばれるようになったかについては、
わかっていないようです。
まさしく、このグラス・ナポリタン/ナポリタン・アイスクリームに出合ったことがあります。
それは、2010年の秋にジャージー島を訪ねたときのこと。
トラットリア、というか、町場のイタリア風食堂みたいな店に入ったときの
デザートで食べたのが、まさにグラス・ナポリタン/ナポリタン・アイスクリームでした。
ところで、グラス・ナポリタンというのは英製仏語のようで、
フランス語では、Tranche napolitaineと呼ぶようです。
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