ねっとりとしたクリーミーさが特徴で、
ケンブリッジシャーのみならず、イギリスが誇る青カビチーズだ。
ケンブリッジシャーのスティルトンは、
このチーズの名前となった地ではあるが、
ここでチーズが作られているわけではない。
300年以上前からスティルトンが作られているのは、
レスターシャーのメルトン・モーブレー。
そして、こここそがスティルトン発祥の地と言われている。
(筆者注:スティストンの発祥については、レスターシャーのウィモンダムなど諸説ある)
この地を訪ねたスティルトンでベル・インをいう旅籠を営んでいた人物が、
そこで作られていたチーズに惚れ込み、自分の旅籠で提供したのが評判となり、
スティルトンという名が冠された、という一風変わったエピソードを持つ。
そのため、スティルトンでは、昔も現在もスティルトンは作られていない。
リントン近郊にあるチルフォード・ホール・ヴィンヤードは、
この地域随一の規模を誇るワイナリーである。
1960年代からアルパー家の所有となり、家族経営でワインを醸造している。
初めてワイン用ブドウが植えられたのは1972年。
以降、現在にいたるまでこの地域の優良ワイナリーであり続けており、
辛口の白、ロゼ、スパークリング・ロゼなどのラインナップを生産している。
これまで見てきたようにケンブリッジシャーは、
この州の象徴ともいえるケンブリッジの街や田舎によって異なる表情を見せ、
その内容も、滋味あふれる地域の総菜から甘いデザート、そして飲料にいたるまで、
実に多様な食文化を見せる。
(終わり)
**********
前回までの“イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 01〜03”はこちら(↓)
イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 01 http://ricorice.exblog.jp/21893140/
イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 02 http://ricorice.exblog.jp/21934679/
イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 03 http://ricorice.exblog.jp/21977641/
これまでの、“イギリスの地方料理 ロンドン”
“イギリスの地方料理 バークシャー”
“イギリスの地方料理 バッキンガムシャー、ベッドフォードシャー、ハートフォードシャー”
“イギリスの地方料理 サリー”
“イギリスの地方料理 ケント”
“イギリスの地方料理 イースト・アングリア”
“イギリスの地方料理 サセックス”
“イギリスの地方料理 ハンプシャー&ワイト島”
はこちら(↓)
http://ricorice.exblog.jp/i28/
・当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます。