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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 02


ケンブリッジシャーは、イギリス随一の肥沃な土地である。
これが穀類、花卉、果物、野菜の栽培に有益だったことは言うまでもない。
“イギリスのバスケット”と呼ばれるのはそのためで、
店頭では新鮮な作物が賑やかに並んでいる。

イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 02_e0038047_1416974.jpgケンブリッジシャーのウィズビーチは、
イチゴやブラックベリーといった
ソフトフルーツの主要産地だ。
同時にリンゴ、
とりわけブラムリーの産地としても知られる。
中でもイチゴは、
このエリアのメインとなる農作物のひとつで、
生で食べるのはもちろん、
お菓子や料理などさまざまに使われ、
ケンブリッジシャーのご当地メニューによく登場する。

ウィズビーチはまた、200年以上の長きにわたって伝統的なビール製法を守り続けている
エルグッド醸造所のホームタウンである。
この醸造所、もともとはノース・ブリンク醸造所だったのを、
エルグッド・ファミリーが1795年に買収したもの。
以来、ネン川のほとりにクラシカルな佇まいを見せるこのブルワリーは、
この州の北東エリアのランドマーク的存在となっている。
エルグッド醸造所で愛飲されているビールのひとつはビター。
しかし、もしかしたら黒い犬のイラストをあしらった、
比較的新しいアイテムの“ブラックドッグ”が
今ではこの醸造所の顔かもしれない。

ケンブリッジシャー南部、大聖堂で知られるイーリーの界隈では
ニンジンやセロリの栽培が盛んである。
とりわけセロリは、イギリス国内での出荷量の半分以上をイーリー産が占める。
そんなセロリを使った料理、セロリのグラタンは、
この地方の名物料理のひとつだ。

イーリーはウナギの産地としても有名で、現在もウナギが使われる郷土料理は健在。
かつて、産業革命全盛のころは、年間3万匹ものウナギが捕獲されていた。
現在はむしろ、良質な川魚が捕れる場所としての認識の方が高いかもしれない。
ブリーム、ローチ(ともにコイ科の淡水魚)、カワカマスなどが
ケンブリッジシャーで捕れる川魚の代表格である。
(・・続 く・・)

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前回の“イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 01”はこちら(↓)
イギリスの地方料理 ケンブリッジシャー 01 http://ricorice.exblog.jp/21893140/

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イギリスの地方料理 バークシャー
イギリスの地方料理 バッキンガムシャー、ベッドフォードシャー、ハートフォードシャー
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by ricoricex | 2014-04-28 00:00 | イギリスの地方料理