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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

リスナー投票によるブリットポップ・トップ10


今年、2014年はブリットポップが登場して20周年、
ということで、先週、4月5〜11日は
BBC Radio6ではブリットポップ週間でした。
BBC Radio2でも、ブリットポップ関連の番組があったりして、
私なんぞ、この時代の音楽シーンはもろリアルタイルですから、
先週はついつい、これらのBBC Radioのブリットポップ漬け。
一緒に歌える曲が何とまあ、多いことよ!(笑)

今だけでなく昔のインタビューを流したり、
ライブ音源がきけたり、番組によって切り口を変えての放送は、
映画『Live Forever』よりもさらに時間が経って、
ようやくよい部分も悪い部分も平静に受け止められるようになったんだなぁ、と涙。

BBC Radio6の企画のひとつに、
リスナーが選ぶブリットポップの1曲というのがあり、
4月11日(金)に結果が発表されました。
ランキングは以下の通りです。

01. 「Common People」Pulp
02. 「Bittersweet Symphony」The Verve
03. 「Don’t Look Back in Anger」Oasis
04. 「Wonderwall」Oasis
05. 「Parklife」Blur
06. 「Animal Nitrate」Suede
07. 「Girls & Boys」Blur
08. 「Slight Return」The Bluetones
09. 「Disco 2000」Pulp
10. 「Girl From Mars」Ash

1位は、当然でしょう!のPulpの「Common People」。
2位にThe Verveの「Bittersweet Symphony」なのは意外。
だったら、Ocean Colour Sceneの「Riverboat Song」や
Dodgyの「Good Enough」がランクインしてもいいんじゃないの?

Oasisは票が割れたかな、という印象。
2位に入ってもおかしくないもんねぇ。
個人的には「Don’t Look Back in Anger」よりも「Wonderwall」に
ブリットポップを感じます。
The Bluetonesもあの時代の音だなぁと思います。
そういう意味では、あれ〜、SupergrassとかGeneとかShed SevenとかMenswearとか
ElasticaとかEchobellyとかSleeperとかが入ってない!
少なくともSupergrassの「Alright」は入ってもいいのではあるまいか。

ブリットポップは、当時のブレア政権時において、
クールブリタニアの戦略のひとつに担ぎ上げられたりもして、
プレスというか国をあげて浮かれていたような印象です。
実際に、この頃イギリスは(久しぶりの)好景気だったわけで、
浮かれるのも無理はなかったのかもしれませんが。。。

イギリスの生活というものを皮肉たっぷりに描いたPulpの「Common People」とともに、
ランクインしていないけれど、実はOasisの「Live Forever」が
ブリットポップという時代のもうひとつの面を浮き彫りにしたんじゃないかな。

ブリットポップのちょっと前、
90年代初頭は、アメリカ・シアトルを中心に興ったグランジが台頭。
(イギリスだと同時にクリエイションとかインディーレーベルが
 リアルに頭角を現し出した頃。
 今ほど、情報伝達が発達していないこともあって、
 スコットランド・グラスゴーなどは、
 ロンドンよりもむしろシアトルやシカゴなどとつながりが大きかった印象です。
 実際に、クリエイションに所属もしていたTeenage Fanclubは、
 グランジに対するイギリス(スコットランド)からの回答
 みたいな紹介のされ方をしていましたし、事実音を聴くと相互作用していたのは明らか。
 1992年のReading Festivalのある日のメインステージでは、
 Nirvana、Mudhoney、L7、Screaming Trees、Pavement、The Melvins
 といったアメリカ・グランジ系統のバンドがほとんどで、
 そこに、前述のTeenage Fanclubが入っていたのが象徴的。
 涎垂のラインナップで、このビデオを何度見たことか!)

1994年4月5日は、そのグランジのシンボル的存在だった
ニルヴァーナのカート・コバーンが自殺した日。
この自殺を受けて、その逆のコンセプトの「Live Forever」を作ったのは有名な話。
今回のBBC Radio6のブリットポップ週間が、
ちょうど20年後の2014年4月5日からスタートしたのも、
カート・コバーンの死によって、
当時、時代が、アメリカ発のグランジから自国のブリットポップへシフトしたことを
示唆する狙いがあったのは、間違いないでしょう。
だから、Oasisの「Live Forever」もブリットポップを語るときに
不可欠だと思うのですよ。

このトップ10の結果は、イギリスの音楽メディア、NMEでも紹介されています。
BBC Radio6のブリットポップ・リスナー投票でPulpの「Common People」が1位に!
'Common People' voted greatest Britpop anthem by BBC Radio 6 Music listeners
http://www.nme.com/news/pulp/76676?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=pulp


また、BBCはテレビにしろラジオにしろ、
基本、放送後1週間は無料で視聴できるので、
興味のある人はBBCのウェブサイト(↓)にアクセスして、聴いてみてください。
http://www.bbc.co.uk/



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by ricoricex | 2014-04-17 00:00 | 音楽