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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

春画展@ブリティッシュ・ミュージアム


春画展@ブリティッシュ・ミュージアム_e0038047_0224130.jpg秋のイギリス滞在から帰国して、1週間経たずして、
今度はイギリスから友人夫婦がやって来ました。
ある日、嬉々として買ってきた雑誌がありました。
それは「和樂」12月号。
浮世絵特集にすっかり心を奪われたようです。

子どもの頃の私は、マティスとかミロとか見ていてウキウキ楽しい気分になるものが好きで、
まあ、これは今も比較的そうですが古い美術作品(建築や音楽、すべてひっくるめて)には興味がありませんでした
(なので、パリには何度か行っていて、その度にポンピドゥーには行きますが、
 ルーヴルには未だ行ったことがない)。
浮世絵は、古い新しいというよりも、永谷園のお茶漬けのカードという印象で、
それ以上でもそれ以下でもなかったのです。
大学を卒業するか働き始めて間もない頃だったか、
世田谷美術館で「ゴッホと日本展」が開催され
(同美術館で開催されたアラーキーの写真展もよかったなぁ)、
これがめっぽうおもしろく、同時にものすごい衝撃を受けたんです。
このとき初めて浮世絵っておもしろいなぁ、って思いました。

時間軸が行ったり来たりしますが、
今秋、私がイギリスに滞在していたとき、
ブリティッシュ・ミュージアム
春画(Shunga; Sex and Pleasure in Japanese Art)の展示が始まっていました。
このチャンスを逃したら、本物を観る機会はそうそうないだろうなぁ、と
行ってきました。

エロティックな感じはしなくって、ユーモラスだったり、斬新だったり。
江戸時代って大らかだったんだなぁ。
そして、浮世絵師をはじめ、版元もお客も弾圧に屈せず、という民衆パワーを感じたり、
また春画だけでなく関連美術作品も鑑賞できたり、と
非常に見応えのあるエキシビションでした。
そして、まあ、人の多かったこと!
ぎゅうぎゅうで観られない、といったことはないのですが、
特別展でお金はかかるし、会場は通常の日本ブースだし、加えて平日にもかかわらず、
たくさんの来場者。
オリエンタルは何人かいたけれど、日本人、いたかな? 
フランス、イタリアあたりのヨーロッパ大陸からの入場者が多いなぁと思いました。

本屋さんに行って気づいたのですが、
先の「和樂」だけでなく、浮世絵の特集がけっこういろんな雑誌で組まれていて、
もちろんブリティッシュ・ミュージアムの春画についてもフィーチャーされていて。
こういう流れで、日本でも春画展が開催されたりするのでしょうか。
だとしたらなんだかなぁ。
ほかの国で(はっきりいうと欧米)で話題になったから追随しましょう、っていう流れは
いい加減やめて欲しいなぁ。
やるんだったら、まずは本国で先鞭つけてよね!

「和樂」で知ったのですが、来年は大浮世絵展
東京、名古屋、山口(!)で開催されるんですね!
と〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っても楽しみ〜!
帰省がてら、山口県立美術館に行こっと!
ついでに、浮世絵コレクションが豊富な
山口県立萩美術館・浦上記念館にも、やっとこさ行きたいのであります。

ちなみに、ブリティッシュ・ミュージアムの春画展は
来年2014年1月5日まで開催されています。
ご興味ある方はお早めに。

春画/Shunga; Sex and Pleasure in Japanese Art(2013年10月3日~2014年1月5日)
http://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/shunga.aspx

fri 08/11/13



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by ricoricex | 2013-12-18 00:00 | 建築&デザイン