この州の面積は約1500平方km、南にはサリーヒルズが広がる。
人口は100万人を超え、伝統的なイングランドの村々が点在する一方、
ビジネスや商業の拠点としての面も見せる。
サリーは、かつてホワイト・ドーキング・チキンと呼ばれる鶏の品種で知られた。
(筆者注:ドーキングはサリーにある町の名前)
食肉としても、その鶏卵も高い評価を得ていた。
このホワイト・ドーキング・チキンを使った
サリー・ロースト・チキンはこの地方の名物料理。
たっぷりと太らせた、このサリーの鶏を使う料理である。
このエリアの多くの地域では、かつては羊も飼われていた。
このラムチョップを使ったサリー・ラム・パイも
サリーを代表する料理のひとつである。
もともとはマトンのチョップを使ったもので、
パイ皮ではなく、トッッピングにスライスしたマッシュルームを重ねて覆う料理だった。
同じような変化を遂げたサリーの料理にハーブパイがある。
ハーブパイは、もともとはパイ生地を使わない、
ベーコンとクレソンを使ったフランだったが、
今ではパイ皮で覆ったものが伝統的なハーブパイと見なされている。
かつて、サリーを流れるテムズ川ではウナギが大量に捕れた。
リッチモンド・イール・パイは、このウナギを使った料理である。
(筆者注:現在、ロンドンの南西部にあるリッチモンドは、
かつてはサリーの一部だった)
また、同じくサリーを流れる川にワンドル川があり、
この川は上質なマスが捕れることで知られていた。
このマスを使ったベイクド・スタッフド・トラウトもサリーの名物料理である。
クレソンも、かつてサリーは産地として名を馳せていた。特にカーシャルトンやベディントンでは、日常の光景としてクレソン畑が見られたものだ。
なので、クレソンのスープはもちろんサリーの名物料理に数えられる。
また、ジャガイモとタマネギのスープもサリーの伝統的なスープである。
この田舎風スープは風邪をひいたときに薬として食べられていたとか。
ジャガイモとタマネギのスープは、もともとは粗いテキスチャーだったが、現在ではブレンダーなどで回してスムーズな食感に仕上げるのが一般的である。
ミッチャムの町周辺ではミントとラベンダーがよく育ち、
「クライド・フォー・セール」としてロンドンで売られた。
そう、ミント・ソースもサリーならではの一品である。
サリーにルーツを持つつけ合わせ料理でユニークなものがある。
それはソラマメのプディング。ウィンザー・ビーン・プディングと呼ばれることもある。
サリーにありながらも、ソラマメはウィンザー・ビーンと言われたからだ。
(筆者注:ウィンザーはサリーではなく、バークシャーにある町)
この料理は、ローストした肉、とりわけ豚やハムなどのつけ合わせとして登場する。
オリジナルは、焼くのではなく布に包んで茹でて調理されたものだった。
(・・続 く・・)
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