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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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ジェイミー・オリヴァー/Jamie Oliverの最新情報


8月下旬に最新刊『Save with Jamie』
(日本語にすると『ジェイミーの節約レシピ』といったところでしょうか)が
出たばかりのジェイミー・オリヴァー。
こちらの本の、本人によるヴィデオ・メッセージはこちら(↓)。
http://www.youtube.com/watch?v=tUdIa2QdH2I

Save with Jamie: Shop Smart, Cook Clever, Waste Less

それに伴い、9月2日(月)から
イギリスのテレビ局、チャンネル4で
Jamie’s Money Saving Meals」が始まりました。
http://www.channel4.com/programmes/jamies-money-saving-meals/4od#3567667
初回は、韓国風炒飯、フィッシュパイ、ピザ・パイを披露。
どのレシピも1人1.80ポンド(日本円で300円以下)で収まる、というもの。
まあ、主旨が主旨ですからね。

同日、ラジオ番組に出演してプロモーションしていましたが、
いやぁ、いつからこんなしっかり喋るようになったんだろう(笑)。
びっくりするほど隙がない!
第一印象が、だら〜んと喋る子だなぁ、という印象だったのです。

8月30日(金)づけの、イギリスの新聞the guardianのウェブサイトでは、
それらのプロモーションも兼ねて、以下のように(↓)インタビューにも応じています。
Jamie Oliver: My family
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2013/aug/30/jamie-oliver-my-family-values?CMP=twt_gu




それにしても、です。
The River Café(ロンドンにあるモダンなイタリア料理店)で
スーシェフとして働いていた彼を、
そこでThe River Caféの番組を制作したとはいえ、
「The Naked Chef」に大抜擢したBBCの担当者の審美眼に改めて驚かされます。
(数年前に出版された『Jamie’s Great Britain』には、
 The River Café勤務時代のかつてのボスで、2010年に亡くなった
 ローズ・グレイに捧げる序章が記されています)
番組が始まって2〜3年後、私がイギリスに住んでいた2000〜2001年は、
まだまだすさまじいジェイミー・ブームだったことを覚えています。

そんな彼を、かわいいルックスもあって、
ぽっと出のにいちゃんで終わる、と思っていた人は多いのではないでしょうか。
ところがどっこい、活動の幅をぐぐぐ〜んと広げて、
フード・レボリューション(給食革命、食の革命)、
若い人材の育成といった社会活動家としての運動、
いろんなスタイルの店の経営、
自らの名前を冠した雑誌の出版、
自らのウェブサイトもヴィデオを流したり、
まあ、尋常ではない仕事量です。
優秀なブレーンがいるのでしょうが、やはり本人の力もあるんだなぁ、と
感じ入るわけです。

私個人としては、彼に別段思い入れはないし
(初期のいかにも楽しそうな番組は、とてもいいなと思いました)、
正直、社会活動家としての側面には興味はない。
(彼のやっているもので好きなのは、
 『Jamie’s Great Britain』とか『Jamie’s Ministry of Food』で
 アプローチしていた、イギリスの食。
 ああ、この人はパブ屋の息子なんだなぁとつくづく感じるのです。)
ただ、彼のビジネススタイルはものすごく、ものすごく興味がある。
明らかに、ほかのセレブリティシェフとは立ち位置が違う。
もともとはイタリアンだけど、料理のジャンルだけでなく、
飲食業という業界の垣根をひょいひょい飛び越えて、
どこへ向かおうとしているのか、何がやりたいのか。

そして、彼のウェブサイトなどを見ていると、
日常のひとコマとして、子どもたちやお母さんもちょくちょく登場するのです。
別段、家族を売り物にしているわけではない。
頼まれて登場させているわけではない。
プライバシー(プリバシー)は隠すか売るかのどっちか、が主流な中、
その関わり方が、よくいえば自然体で、
このあたりも不思議な感覚にとらわれるんです。

なので、プライバシーの開示の仕方含め、
これからのビジネスのひとつのケーススタディを体現しているんじゃないか、
って気がして仕方ないのです。

ところで、新刊の『Save with Jamie』は
イギリス国内4000ほどあるすべての図書館に寄贈するそう。
これも、給食革命ほどではないにしろ、物議をかもしそうだなぁ。
まあ、そんなことは百も承知でしょうが。
(私個人は、う〜ん、手放しでいいとは思えなかったですね。
 なんだかすっきりしない、もやもやっとした違和感を覚えました。
 バロネス・サッチャーが首相時代に給食の無償配給の牛乳を廃止したときに
 (なので、彼女は、サッチャー・スナッチャー(“奪う者”の意)と呼ばれた)
 子どもに牛乳を与えるのは政府ではなく親の役目と発言したり、
 マリー・アントワネットがパンがなければお菓子(ブリオッシュ)を食べればいいのに、
 というのと本質的に似た匂いを感じたんですよ)
そちらのニュースはこちら(↓)
Jamie Oliver to Donate Cookbooks to Every Library in the UK
http://www.foodista.com/blog/2013/08/29/jamie-oliver-to-donate-cookbooks-to-every-library-in-the-uk





ところで、9月1日(日)、彼のコベント・ガーデンの店で火事があったのですが、
そのことについてちゃんと(?)報じられていないような。。。
(一応、イヴニング・スタンダードのウェブサイトでは以下のように報道されました。
 Covent Garden evacuated and market closed off after fire at Jamie Oliver restaurant
 http://www.standard.co.uk/news/london/covent-garden-evacuated-and-market-closed-off-after-fire-at-jamie-oliver-restaurant-8793850.html

先に書いた、9月2日(月)、ラジオの生番組に出演したときも
それについては、当たり前のように触れられなかったし
(まあ、新刊と新番組のプロモーションなわけではあるんですが)、
どーなってんの? どーなったの?




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by ricoricex | 2013-09-06 00:00 | 食の人