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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


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シュガーロード ~平戸 03~


シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_5393520.jpg7月11日(木)&12日(金)、1泊2日で訪ねたのは長崎県平戸
主な目的は2つあり、
そのひとつ、今年、平戸英国商館設置400周年にあたる2013年は、
イギリス関連のイベントが行われていること、
もうひとつは、平戸ならではのお菓子を巡ること。
これらの詳細については、以下からご覧ください。
http://ricorice.exblog.jp/i26/

平戸には、個性的なお菓子スポットがいくつもあり、
それらを何回かにわたってご紹介しており、
前回は牛蒡餅本舗 熊屋さん、前々回は閑雲亭さん、
そして今回は、真打ちとでもいうべきお店です。

それは平戸蔦屋(以下、蔦屋)さん。
創業文亀2(1502)年、400年以上続く老舗で、現在の店主の方は実に24代目。
江戸時代、平戸藩松浦家の御用菓子司を務め、
松浦家が菓子の製法をまとめた『百菓之図』が伝えられた2軒のうち、
今に残る1軒です。

シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_1829636.jpg卵黄に浸したカステラを蜜に漬け、砂糖をまぶした、平戸の銘菓「カスドース」、
江戸時代から伝わるお菓子です。
黒ゴマの入ったこしあんを求肥で包み、和三盆糖をまぶした復元菓子「烏羽玉」、
カステラ生地に練りあんを入れ、花型で焼いた「花かすていら」、
シンプルで素朴な味わいの「牛蒡餅」、
中にこしあんが入り表面に米粒がついた伝統「けいらん」。
これら昔ながらのお菓子を作っていらっしゃいます。
それぞれのお菓子については、リンクをはっていますので、
そこから以前の記事をご覧ください。
(写真は「カスドース」)

シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_18302380.jpgシュガーロード ~平戸 03~_e0038047_1846418.jpgと、ここまでは現地に赴かずとも、比較的入手しやすい情報。
もちろん、これらの昔ながらのお菓子も、ですが、
非常にいい!と思ったのが、新しいことにも積極的に取り組んでらっしゃるところです。
お店は、ウィリアム・アダムス(三浦按針)の居宅があったとされる場所にあり、
建物こそ古く趣のあるものですが、
お菓子のショーケースなどはモダンで、しかも現代風の洋菓子も多い。

シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_1830511.jpg以前“シュガーロード ~平戸英国商館設置400周年 03~”でレポートした、
“イギリスを味わう”で提供してらっしゃるのは、
ANJINの焼印を押した、その名も「ANJINカステラ」。
一見フィナンシェのようですが、そこはカステラ。
しっとりとした食感で、上品な甘さがあります。




シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_18421492.jpgどら焼きは、そのままのものもありますが、
おもしろいなと思ったのが、半分にカットした半どら。
見てすぐに中身がわかりますし、
2つ買えば、1個分で2種類が食べられるのがうれしい。
購入したのは粒あん、白あん&生クリーム、ストリベリーの3つ。




シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_18424145.jpg蔦屋のパイクリームと称されたお菓子は、
カスタードが入ったパイで、平べったい長方形のものが2つ入り。
中にはロールケーキやホールタイプのものもありますが、
ポーションが小さいものが多く、ついついあれもこれも欲しくなります。
洋菓子は全体的にやさしい味わい。
すごく凝っているとか、技がどうの、という類のものではありませんが、
一生懸命作っている感じが好感が持てます。

先にも書きましたが、とかく老舗は守りに入りがち(そう映る)。
ですが、おそらく老舗の定番アイテムも出た当時は画期的なものだったと思うのです。
それが淘汰され、改良が重ねられ今に至る。
伝統を守りつつ(まったく古いままではなく、時代に合わせて微調整する)、
果敢に挑戦すべきは挑戦する、
この両輪があって続くから老舗になりうるんだろうなぁ、と感じ入った次第です。

シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_18433798.jpgシュガーロード ~平戸 03~_e0038047_18431362.jpgそして、私のイチオシはクローブ。
和三盆落雁で、東インド会社のロゴをあしらい、
当時の貿易品であった香辛料をメインとした、
シナモン、クローブ、カカオ、ロイヤルティー、イチゴ、
平戸夏香(平戸で栽培されている国産オレンジ)の6つのフレイバーで構成。
穏やかな見た目と違って、
フレイバーはひとつひとつがきちんと立っています。
真っ赤な箱も、落雁らしからぬ見た目も、とてもしゃれていて、
ちょっとしたプレゼントにもよさそうです。これはいい!
ただし、夏場は製造しない、とのこと。
ちょうど端境期に訪れたので幸運にも購入できました。
ちなみにクローブとは、平戸に入港したイギリス船の名前です。

シュガーロード ~平戸 03~_e0038047_18443071.jpgお店は入って少し進んで左手にお菓子のディスプレイが、
右手奥には立派なオーブンをしつらえた洋菓子の工房、
そして左手奥にお座敷があり、
ここでお菓子をいただくことができます。
古い建物を上手に利用し、コンテンポラリーな和モダン、
ではありますが、ところどころ、抜けたところがあるのはご愛嬌
(個人的にはスキがなさ過ぎるのは息苦しいので、このくらいがいい按配ではあります)。
2階もあり、地域の人が集まったりするときに利用されているようです。

次回も、平戸のお菓子スポットをご紹介します。

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【シュガーロード(長崎街道)】江戸時代に整備された脇街道のひとつで、小倉・常磐橋を始点に長崎まで続く道。江戸時代、鎖国体制の中、海外との唯一の窓口であった出島に届いた砂糖は、この長崎街道を経て、京・大坂、そして江戸へと運ばれて行きました。長い年月の中で、菓子文化も大きく開花しました。

thu&fri 11&12/07/13



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by ricoricex | 2013-08-17 00:00 | シュガーロード/長崎街道