2012年初夏、1週間のイギリス訪問で、
到着したその日の夕方、Divertimenti、HarrodsやHarvey Nicholsのある
Brompton RoadからKnightsbridgeを歩いているときに、
あっ、こんなところにココマヤ/COCOMAYAができている!
と認識はしたものの、
一歩間違えれば下品になるスレスレの、ヨーロッパならでのキッチュエレガントなルックスは、
確信犯的な、あまりにも狙いすぎの印象を受けて、
帰国直前まで素通りしていました。
第一印象は大事です。外す確率は低い。
経験値による統計はあなどれません。
しかし、今回は外してしまいました。
帰国する日、飛行機は夕方の便なので、午前中はまるまる使えます。
Tate Britainで行っていた「Picasso and Modern British Art」を観に行き、
外に出たときは微妙な時間。
のんびりランチを食べるには危ないので何かtake awayして、フラットで食べよう、
でも、ちょっとコーヒーでも飲みたいな、と思ったときに、
頭に浮かんだのがCOCOMAYAでした。
時間とルートを考えると、
COCOMAYAでお茶をして、
marks & spencer simply foodでお昼を買ってフラットに戻るのが、
一番よかったのです。
まあ、こういう機会がないと行かないかも、なんて思いつつ、
かくしてCOCOMAYAの店の扉を開けました。
COCOMAYAは、焼き菓子もありますが、むしろチョコレートで知られる店です。
Brompton Roadにあるこの店は、奥に細い造りでイートインは見た目よりも広い。
入って左手にカウンターとケーキのディスプレイがあり、
左手がイートインのテーブルで壁側にチョコレートが飾ってあります。
オーダーしたのは、ラズベリーカップケーキ3.50ポンドとアメリカーノ2.25ポンド。
カップケーキはティータイムのお菓子ですから、通常はカトラリーがついてきません。
この店も同様。
しかしながら、上にクリームがたっぷりのっていると、
私にはどうにも食べにくい。
スタッフの方にお願いすると、
そうだよね、フォークかスプーンがないと食べにくいよね、とにっこり笑いながら、
すぐに持って来てくれました
(それにしても、こういうお店で働いているスタッフの人たちは、
くだけ過ぎないフレンドリーさで、気持ちがいいなぁ。
たまたま、いつも当たりの人に当たるのでしょうか?)。
運ばれて来たケーキは、ケーキよりも上のクリームの方が高さがあります。
砕いたピスタチオを散らし、頂上には生のラズベリーをトッピング。
ケーキ生地はプレーン。クリームはストロベリー、
もしくはストロベリーにラズベリーなどレッドフルーツを加えたフレイバー。
生地はケーキの香りがちゃんとあり、しっとりとし、ぱさつき感がありません。
こっくりとしていますが、口の中で心地よくとけるので、さほど重さを感じない。
しっかりとしたクリームとの相性もよく、
ただ甘いだけ、重いだけ、でなく、後口がやさしいので、全体のバランスがよく、
一口ごとに充実感があり、飽きずに最後まで楽しめます。
ピスタチオとトッピングのラズベリーもいいアクセントです。
いい意味で裏切られました。
このイギリス訪問では、いくつもケーキを食べたのですが、
もちろん、その日のお店の状態、天気、私の体調、選んだケーキによって違ってくるので、
ここで、どの店が、というのは早急なのを承知で言うと、
個人的な好みではここが一番です。
ただし、一般的な日本人には、
peggy porschenの方が圧倒的に好まれるのではないかと推測します。
COCOMAYAはずっしりとした重さは感じさせないものの、
コクも甘さもしっかりあります。
一方でpeggy porschenは、一般的なイギリスのケーキよりもぐっとふわりと軽やか
(そういえば、peggy porschenも最初は行く気ではなかったのでした)。
夏なので、イギリスはともかく、
日本に戻ったときにどろどろに溶けるのではないか、という懸念から、
このときは買わなかったのですが、次はチョコレートに挑戦したい。
粒タイプのチョコレートアイテムもいろいろあるのですが、
私が一番気になったのは、板チョコ。
味云々、というよりもパッケージ。
アムステルダムなど世界の観光地が描かれ、切手を貼ったデザインは、
60〜70年代のノスタルジックな絵はがきを思わせます。
あざといなぁ、と思いつつも、ケーキと同様、まんまとのせられそうです。
※私が訪ねたBrompton Roadにあるこの店舗は閉店(ポップアップだったのかな?)
wed 04/07/12
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