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イギリスの食文化研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex
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カップケーキ@ココマヤ/Cocomaya(ロンドン)


実のところ、まったく期待していなかったのです。
2012年初夏、1週間のイギリス訪問で、
到着したその日の夕方、DivertimentiHarrodsHarvey Nicholsのある
Brompton RoadからKnightsbridgeを歩いているときに、
あっ、こんなところにココマヤ/COCOMAYAができている!
と認識はしたものの、
一歩間違えれば下品になるスレスレの、ヨーロッパならでのキッチュエレガントなルックスは、
確信犯的な、あまりにも狙いすぎの印象を受けて、
帰国直前まで素通りしていました。
カップケーキ@ココマヤ/Cocomaya(ロンドン)_e0038047_23194012.jpg


第一印象は大事です。外す確率は低い。
経験値による統計はあなどれません。
しかし、今回は外してしまいました。

カップケーキ@ココマヤ/Cocomaya(ロンドン)_e0038047_23244437.jpg帰国する日、飛行機は夕方の便なので、午前中はまるまる使えます。
Tate Britainで行っていた「Picasso and Modern British Art」を観に行き、
外に出たときは微妙な時間。
のんびりランチを食べるには危ないので何かtake awayして、フラットで食べよう、
でも、ちょっとコーヒーでも飲みたいな、と思ったときに、
頭に浮かんだのがCOCOMAYAでした。
時間とルートを考えると、
COCOMAYAでお茶をして、
marks & spencer simply foodでお昼を買ってフラットに戻るのが、
一番よかったのです。
まあ、こういう機会がないと行かないかも、なんて思いつつ、
かくしてCOCOMAYAの店の扉を開けました。

COCOMAYAは、焼き菓子もありますが、むしろチョコレートで知られる店です。
Brompton Roadにあるこの店は、奥に細い造りでイートインは見た目よりも広い。
入って左手にカウンターとケーキのディスプレイがあり、
左手がイートインのテーブルで壁側にチョコレートが飾ってあります。
オーダーしたのは、ラズベリーカップケーキ3.50ポンドとアメリカーノ2.25ポンド。
カップケーキ@ココマヤ/Cocomaya(ロンドン)_e0038047_23204318.jpg


カップケーキはティータイムのお菓子ですから、通常はカトラリーがついてきません。
この店も同様。
しかしながら、上にクリームがたっぷりのっていると、
私にはどうにも食べにくい。
スタッフの方にお願いすると、
そうだよね、フォークかスプーンがないと食べにくいよね、とにっこり笑いながら、
すぐに持って来てくれました
(それにしても、こういうお店で働いているスタッフの人たちは、
 くだけ過ぎないフレンドリーさで、気持ちがいいなぁ。
 たまたま、いつも当たりの人に当たるのでしょうか?)。

運ばれて来たケーキは、ケーキよりも上のクリームの方が高さがあります。
砕いたピスタチオを散らし、頂上には生のラズベリーをトッピング。
ケーキ生地はプレーン。クリームはストロベリー、
もしくはストロベリーにラズベリーなどレッドフルーツを加えたフレイバー。

生地はケーキの香りがちゃんとあり、しっとりとし、ぱさつき感がありません。
こっくりとしていますが、口の中で心地よくとけるので、さほど重さを感じない。
しっかりとしたクリームとの相性もよく、
ただ甘いだけ、重いだけ、でなく、後口がやさしいので、全体のバランスがよく、
一口ごとに充実感があり、飽きずに最後まで楽しめます。
ピスタチオとトッピングのラズベリーもいいアクセントです。

カップケーキ@ココマヤ/Cocomaya(ロンドン)_e0038047_23244725.jpgいい意味で裏切られました。
このイギリス訪問では、いくつもケーキを食べたのですが、
もちろん、その日のお店の状態、天気、私の体調、選んだケーキによって違ってくるので、
ここで、どの店が、というのは早急なのを承知で言うと、
個人的な好みではここが一番です。
ただし、一般的な日本人には、
peggy porschenの方が圧倒的に好まれるのではないかと推測します。
COCOMAYAはずっしりとした重さは感じさせないものの、
コクも甘さもしっかりあります。
一方でpeggy porschenは、一般的なイギリスのケーキよりもぐっとふわりと軽やか
(そういえば、peggy porschenも最初は行く気ではなかったのでした)。

夏なので、イギリスはともかく、
日本に戻ったときにどろどろに溶けるのではないか、という懸念から、
このときは買わなかったのですが、次はチョコレートに挑戦したい。
粒タイプのチョコレートアイテムもいろいろあるのですが、
私が一番気になったのは、板チョコ。
味云々、というよりもパッケージ。
アムステルダムなど世界の観光地が描かれ、切手を貼ったデザインは、
60〜70年代のノスタルジックな絵はがきを思わせます。
あざといなぁ、と思いつつも、ケーキと同様、まんまとのせられそうです。

※私が訪ねたBrompton Roadにあるこの店舗は閉店(ポップアップだったのかな?)

wed 04/07/12



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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ライター/アドバイザー”羽根則子のブログです。

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by ricoricex | 2013-05-06 00:00 | イギリスの店レポート