イギリスの地方(イングランドの州ごとの)料理についてまとめてある章があります。
自分でも必要だし、読んでくださる方に知って欲しいと思っており、
数年かかって、やっとこさ、訳に着手することにしました。
しかし、ご存知の方も多いように、
外国語をそのまま日本語に訳すとおかしな表現になることはしばしば。
分かりにくいこともあるので、補足を加えるなどして、
主軸は残しつつ、意訳をしています。
みなさまにとって、イギリスの食の理解への一助になれば幸いです。
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イギリスの首都であるロンドン。国際都市だけあり、世界各国の食や文化の影響も大きい。
さまざまなコミュニティがあり、ありとあらゆるものがこの街には集まっている。
もちろん、現代は21世紀。モダンでスタイリッシュなものもたくさん見られるが、
ちょっと奥をのぞくと何世紀も変わらないロンドンの姿は今も健在。
生粋のロンドンっ子、コックニーが今もいるように。
具体的な料理の話の前にもう一言。ロンドンは生産者にとっても小売業者にとっても、一大マーケットである。
青果市場で有名だったコベントガーデン、鮮魚ならビリングスゲイト、
精肉であればスミスフィールドといった具合に、いくつもの主要な市場があった(ある)。
現在であれば、ボローマーケットを加えてもいいだろう。
そして、これらのアイテムは、ハロッズやフォートナム&メイソンを筆頭に、
さまざまな店に並び、われわれの口に入るのである。
では、肝心の料理の話を。
ロンドンには、シンプルな一品から豪華なものまで実に多くの伝統的な料理がある。
その代表的存在はウナギ。
パイショップでは、ウナギやミートパイが、
マッシュポテトやグリーン・パセリ・リカー(ソースの1種)とともに供される。
いかにも、ロンドンの下町の人々、イーストエンダー好みの一品だ。
ソースとして使うグリーン・パセリ・リカーは、
調理して残ったウナギの肉汁を利用して作られることもあった。
こういった料理を提供する
イール・パイ・アンド・マッシュ・ハウス(ウナギとパイとマッシュポテトの店)は
18世紀から見られるようにになった。
初めて登場したのはヴィクトリア朝時代と考えられている。
残念ながら、この手の店は今ではほとんどなくなってしまったが。
ウナギで忘れてはいけない料理がもうひとつあり、それはウナギのゼリー寄せ。
これも下町の庶民が愛した味である。
(・・続 く・・)
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