これが、初めてイギリスに行ったときの私が強く抱いた印象のひとつ。
それは今も変わらない。
そして、クラスを知ることはイギリスの文化を知るカギでもあります。
tea? dinner?で記した内容も、そのことに類する内容です。
イギリスのクラスは、アッパー/上流、ミドル/中流、ワーキングクラス/労働者階級
の3つに分類されます。
さらにミドルクラスはアッパーミドルとロウアーミドルとに分けられ、
この境界が一番厄介で、越えられそうで越えられない壁。
アッパーとワーキングはある意味似ています。
人目を気にせず、我が道をゆく、というか。
しかし、ミドルクラスは違う。アッパーとロウアーの間の壁は高くて大きい。
そのため、どっちに自らが属するべきか躍起になっている印象を受けます。
イギリスのカレッジでビジネスのさわりの授業を受けた時、
こういうクラスによる消費行動についての話も出てきて、納得したことを覚えています。
しかしながら現在社会は、このクラスの分類で区切れるほどシンプルではない。
サッチャー政権によってイギリスの社会は様変わりし、
また情報や国際化による変化もあり、
the Great British Class Survey (GBCS)により、新たな分類が設けられました。
これまでの社会的分類に加え、経済的、文化的な要素も加えられています。
少し補足を。階級が上であることと、経済的に恵まれていることは
比例することが多いけれど、必ずしも同じではありません。
新しい分類は、
・Elite: 名門。社会的にはもちろん、経済的、文化的にも優れた富裕層。
・Established middle class: eliteに次ぐ富裕層。社会的、文化的にも優れる。
・Technical middle class: お金を持っており、ゲーム、インターネット、ロックミュージックにつぎ込むが、社会的ではない。
・New affluent workers: 収入は中堅どころ。社会的、文化的に積極的。
・Traditional working class: 社会的、経済的、文化的には低いが、それなりの家を所有。
・Emergent service workers: お金は持っていないが、社会的、文化的度が大きい。都市部の若者層に見られる。
・Precariat: 社会的、経済的、文化的、すべての面で下層。
の7つ。ざっくりと、
Elite はこれまでのアッパークラス、
Established middle classはこれまでのミドルクラス、
Traditional working classはこれまでのワーキングクラスに該当します。
ここで留意が必要なのは、
このクラス分類がいい悪いではないということ。
イギリス人の多数はワーキングクラスですが、
たいていの人はワーキングクラスであることをなんとも思っていないし、
むしろ現在ではそのことがポピュラリティを獲得する要素だったりもします
(ベッカムがあれほど人気なのは、
ワーキングクラスのアクセントのまま喋ったところもあるのかなぁと思っています)。
ジョン・レノンも彼が育ったミミ伯母さんの家はミドルクラスでしたが、
彼自身のことでないにしろ、ワーキング・クラス・ヒーローなんて歌を歌っていましたし。
これが日本との大きな違い。
思い切って言うと、
日本で、あなたはワーキングクラス、
と言われるのはどこか蔑みを含んでいるのは否定できないのではないでしょうか。
でも、イギリス人にとっては、
クラスは、そこにあって、好むと好まざるとにかかわらずどこかに分類されるもの、
努力などでは変えらず、生まれで決まってしまう、受け入れていくもの。
ただ事実を語っているに過ぎない印象です。
以上は、あくまで概論ですし、個人差はありますので、お間違えのないよう。
クラスシステムは、日本にいて文字だけ読んでもなかなか実感として捉えにくいと思います。
とはいえ、少し知っていると、そういうことか!と膝を打つことが多いのも事実。
特にパンクムーブメントは、一見、労働者階級の若者が、と思いがちで、
そういう人たちも多かったのも事実ですが、
ジョー・ストラマーにしろ、マルコム・マクラーレンにしろ、
ミドルクラスの人たちが躍起にもなっていて、
音楽的にも、ですが、そういうクラスを含む社会的側面から検証するのもおもしろい。
以下の記事もご参考にどうぞ。
The Great British class calculator: What class are you?
Huge survey reveals seven social classes in UK
Class calculator: Can I have no job or money and still be middle class?
Class calculator: A US view of the class system
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